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【Side:律】
俺は昼休みが終わると教室に戻って来て自分の席にゆっくりと腰掛けた。
すると、それに気付いたある人物が俺の方に向かって来た。
「…律、おかえり〜。」
「……おう。」
俺の席までやって来たのは…。
一応、中学時代からの仲だったりする。
中学生の時に入部したバスケ部に秋斗も同じタイミングで入部していて…。
入部当初─俺は部活のメンバーとは必要最低限の会話しかしていなかったのだけど、秋斗は元々明るくてムードメーカーな性格な為か冷静で無口な俺にも気さくに話掛けてきたのだ。
そんな秋斗と一緒に居るのは "楽しい。" と思うようになって──いつしか俺も打ち解けるようになり一応、俺の親友とも呼べる仲になったのだった。
それは高校生になった今でも変わらずに続いていて偶然にも同じクラスになった。
「…で、どうだった?
「…………。」
秋斗のそんな言葉に俺は呆れるしかなくて何も返答の言葉が見つからなかった。
俺が秋斗に
まあ俺が今までに女子と交際報告の例が少ないから──というかないに等しい状態だったから秋斗はそれが気になるんだろう。
だけど、別に
俺は元々そこまで女に興味がなくて…。
秋斗もそれを知っているからだろう。
中学時代に交際していた女も俺の冷静で無口すぎる性格に我慢できなくなったのか─。
"別れてほしい" と言われ、そのまま別れてしまった。
それからは……。
そのことがきっかけというわけではないけれど、特に好きだと思える相手もいなかったし極力は女とは関わらないようにして来たのに─女の方から勝手に寄って来るのは幼少期から変わらなかった。
─まあ俺に寄って来る女は