嵐の予感と想い ( 16/ 19 )


「おい、律ってばぁ!」
「…なんだよ。」

何も返答のない俺に秋斗は痺れを切らしたのか再度俺の名前を呼んできた。


「"なんだよ" じゃねぇよ!沙結さゆちゃんとのこと聞いてるだろ?!なあ教えろよ〜!」


もう何度目かわからないくらいの沙結さゆとのことを聞いてくる秋斗に俺は呆れるしかなかった。


「……絶対教えてやんね。」
「え?なんでだよ〜〜!?」


寧ろ "答えない" のではなく…。
喋るのがあまり得意ではない俺は沙結さゆとのことを "どうだったか" とか聞かれてもどういう言葉で返せばいいのかわからないだけだったりするんだけど、それは敢えて秋斗には伝えない事にした。

もちろんそれには全く気付いてない秋斗はその後もかなりしつこく聞いてきたが、俺はひたらすら無視していると…。
午後の授業が開始するチャイムが鳴って秋斗もさすがに諦めたのか渋々と自分の席へと戻って行った。



*****


──放課後。

HRも終わり俺は部活に行こうと席を立ち、教室から出ようとした矢先のことだった。


「あ、桜木君!」


突然クラスの女に話し掛けられたけれど、沙結さゆ以外の女に興味のない俺には名前がわからなかった。

──というか、興味のない人間の名前を覚えるのは昔から苦手なんだ。



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