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「…あ、あの…麻子先輩!」
私は数時間前からずっと気になっていたことを思いきって麻子先輩に聞いてみることにした。
「ん?どうしたの?」
「…あの、佐原先輩って…ご存知ですか?」
そう。それは部活が始まる少し前に
律先輩は "興味ない" って言っていたけれど
やっぱり気にならずにはいられなかった。
「え?佐原?…あ〜〜!理恵ね…佐原理恵!勿論知ってるよ。理恵が…どうかした?」
「…あ、あの…その佐原先輩…。凄く美人だ…って
「…あ〜!なるほどね。まあ確かに理恵は美人の部類になるね。それに1年の時から桜木に好意を寄せてるみたいよ。」
「…そう、なんですか…。」
麻子先輩のそんな言葉を聞き何だか私は自信を失ってしまった。
私は律先輩の彼女ではあるけれど、特別美人な訳でも可愛い訳でもないから。
だから私なんかよりも遥かに美人だという先輩が律先輩に好意を寄せているだなんて…。
そんなのますます自信が薄れていく…。
─に決まっている。
「…けど、私の知る限り…。桜木は理恵に冷たく対応してたよ。」
「…え?」
自信を
「桜木が女の子に優しいのなんて…。
「…あ、はい。ありがとうございます!」
麻子先輩はそう言って
私の不安は
もちろん律先輩のことを信用していない訳じゃないけれど、律先輩は本当に本当にモテる人だから不安でいっぱいなんだ。