「…あっ!でも、
「はい?」
麻子先輩のそんな言葉に耳を傾けるけれど
"忠告" という言葉には心臓が激しく高鳴るのを感じていた。
「理恵には気を付けてね!…あの子好きな人を手に入れる為なら何でもするような気の強い子だから!…もし何かあったら…。桜木か私にすぐに言いなよ絶対に!」
「え、あ、は、はい!わかりました!」
麻子先輩のその言葉に私は佐原先輩のことが怖くなってしまった。
本当に本当に不安で不安でたまらない。
まだ本人に会ったことはないけれど、麻子先輩も認める美人なくらいのだから相当な美人さんに違いないし。
ただでさえ私なんて…。
律先輩には不釣り合いな存在なのに…。
それに、麻子先輩が "忠告" してくれた──。
"好きな人を手に入れる為なら何でもする"
"気の強い人"
その2つの "忠告" も気になって仕方がなかった。
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部活を終え少し夕陽も沈みかけて来た時間帯──。
マネージャーの最後のひと仕事として…。
私は部員達が水分補給の為に使用したボトルを体育館のすぐ側にある水道で洗浄していた──時のことだった。
「…こんばんは。」
突然、そんな挨拶の言葉が聞こえて私はボトルを洗浄していた手を止め、声のした後方に振り返った。
すると、そこにいたのは────。