わかってはいるのだけど、ずっとずっと話せないままでいた。
「律、先輩…。」
「…
──話したら…。
律先輩はどんな反応するのかな…。
"どうしてもっと早くに言わないんだ!" って怒るよね。
私は心の中でそう思考しながらも話すべきか話さないままでいるか悩んでいた。
だけど、私のそんな悩みも一瞬のうちに崩されてしまう。
「…
律先輩は何も言わない私に不思議に思ったのか
いつの間にか私の側まで来ていて…。
開けたままになっていた下駄箱の扉の中を見てはついにそう問い
「………わからないんです。」
「は?」
だからバレてしまった以上はもう話すしかなくなってしまって…。
律先輩の質問に小さな声で答えた。
「…開けたら…。
──というか
律先輩には "部室に忘れ物をしたから先に教室に行っててほしい。" と誤魔化して─あの後必死に探して見つけたんだ。