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──昼休み。
私はいつものように律先輩との "約束の場所" に向かう途中で──突然、佐原先輩に声を掛けられて中庭に連れて来られてしまった。
「
そう言われて一瞬なんのことか理解できなかったけれど、すぐにそれは理解できた。
「…やっぱり佐原先輩だったんですね。私の上履きを隠したりしたのは…!」
「そうよ。全部私がやったことよ。」
「どうして…そんなこと…。」
私は佐原先輩に
だから佐原先輩のした事に納得できなかった。
「そんなの決まってるじゃない!? …あなたが…邪魔なのよ!」
佐原先輩はそう言うとまたあの
「…私はあなたが入学して来る前から…ずっと桜木君が好きだったのよ!…だけど、桜木君は私のことなんて…見向きもしてくれなかった…。でも、それは…私にだけじゃないって思ってた!…なのに…なのに…! あなたが入学して来て…桜木君はあなたの事ばかりを目で追うようになった!」
佐原先輩のその言葉に私は驚きを隠せなかった。
──律先輩が…私を目で追うようになった?
私はそんな律先輩の "目で追うようになった。" という視線には全く気付いていなくて…。
それも律先輩本人からは聞かされていない話だったから…。
初めて知る話だった。