「…私はそれが許せないの!あなたなんかより私のが桜木君にはお似合いなのよ!…だから桜木君と別れなさいよ!」
佐原先輩のそんな言葉に "この人は本当に心から律先輩が好きなんだ。" って伝わって来て…。
私は胸が締め付けれるような…そんな想いに襲われてしまった。
だけど、私も律先輩が…。
律が心から本当に本当に大好きで…。
佐原先輩が先に好きになったとか─。
私が後だとかそんなことは関係ない。
「私は律先輩が好きです!…だから先輩に何を言われようと何をされようと…。絶対に律先輩とは別れません!」
私だって律先輩が好きだという気持ちは誰にも負けない。
「…そう…。言ってくれるじゃない?…だったら力ずくでも別れさせてあげるわ!」
佐原先輩がそう叫んだ直後だった。
佐原先輩の合図で背後から数人の男子生徒が現れた。
「理恵、呼ぶのおせぇよ!」
「うるさいわね!いいからさっさとヤっちゃいなさいよ!」
「はいはい。わかったよ。」
佐原先輩と1人の男子生徒とのそんな会話が交わされたと思ったら…。
他の男子生徒が私の方に歩み寄って来た。
ゆっくりゆっくりと歩み寄って来る見知らぬ男子に…。
私は怖くて怖くてたまらなかった。
──だから。
それはもう必死に必死に叫んでいたんだ──。