君の嫉妬と優しさ ( 16/ 20 )


──だから半強制みたいな感じで俺は佐々木と
1 on 1をする羽目になってしまった。


そして、今は軽く準備運動的な感じで秋斗に付き合ってもらっている。



「律、いいのかよ?」
「なにが?」
沙結さゆちゃん賭けての勝負なんて…。」


確かに沙結さゆを賭けての勝負なんて馬鹿げている。


でも、別に俺は勝負とか正直どうでもいい。

何故ならこの俺が佐々木なんかに負けるわけがないのだから。


ただ、許せなかったのは…。
佐々木の自信満々に放たれた言葉だった。



「…俺が負けるわけねぇだろ。」
「まあな。…でも、佐々木も挑戦者だよねぇ。律相手に1 on 1なんて…。」


秋斗は佐々木の方を見据えながら
そんな言葉を呟いた。


──そう。
秋斗のそんな言葉にはもちろん理由がある。

それは……。
俺と秋斗は昔、練習をねて─1 on 1を何度かプレーしたことがあって─秋斗は一度も俺に勝ったことがないから。


だから秋斗は俺の1 on 1の強さを唯一知っている人物だというこになる。



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