3年前の事件について、目暮警部に話したところ、なぜか千葉くんとともに近辺での聞き込みをすることになってしまった。

「3年も前のことなんて、誰も覚えてないですよねー。意味あるのかなあ、ねぇ松田さん」
「…」
「ここで3年前に松田刑事と会ったんですよね?」
「そう、わたしが現場捜査してたらお兄ちゃんたちがたまたま騒ぎを聞きつけて。彼らがロシア人の男性を助けたその時に名刺を渡したみたい」
「それ以上の証言なんて、警部はなにを期待して…」

ビルを見上げあの時のことを思い出す。







千葉くんを殴りつけた。

「千葉くん!!」
駆け寄ろうとするが、後頭部にカチャッと何か硬いものが突きつけられる。


「松田陣平刑事を知っているな?」
「知らないって言ったら?」
「質問を変えよう。お前は松田陣平の妹か?」

気絶した千葉くんを抑える手に力がこもる。
「…そうだけど」
大きな声で話しすぎたようだ。
千葉くんとのやりとりは全部聞かれていたらしい。
お兄ちゃんを知っている、そしてこのタイミング…。
おそらくこいつらは警視庁前で死んだ男の関係者だ。
そちらから接触してきたなら…。
こいつらから降谷さんの欲しい情報が手に入るかもしれない。

千葉くんは完全に意識を失っている。
身の安全のためには、抵抗はしない方がいい。
「こいつを殺されたくなかったら一緒に来てもらおう」
「私たちは松田陣平に用がある。大人しくすれば、お前に手荒なことはしない」










「千葉くんからだわ」

「千葉はいま、瑠衣くんと廃ビルの聞き込みにいっとるはずだが…」



「松田陣平刑事に伝えろ、千葉刑事とお前の妹は預かった。







「なんだって?」
「捜査一家の千葉、松田瑠衣両刑事が誘拐されたと…」

「彼女のことは注意して見ておけと君たちにも言っただろう」

「…申し訳ありません」

「…仕方ない。コナンくんのお陰で、爆弾の解析は進んでいる。我々の持っている情報をすべて捜査一家に提供し、すみやかに人質を救出するべく協力しろ」







目隠しをされて連れてこられたからここがどこかよくわからないけど、どうやら地下に連れてこられたようだ。
千葉くんと共に椅子に座らされ、縛られている。千葉くんはまだ気絶したままだ。


「あなたたちの目的は?」
「それは松田陣平が来たら直接言う。お前には関係ないことだ」


あくまでわたしたちはお兄ちゃんを呼び出す餌ってわけね…。
時々仲間同士で話す際に日本語ではない言語が聞こえてくる。これはおそらくロシア語…、内容までは理解できない。
ということは、お兄ちゃんの名刺を持っていた、3年前にわたしが見たあの男の仲間なのか?
それならばあの時屋上で見た爆弾魔は?あいつは単独行動だった。
考えてもわからないことばかり。
こいつらがなぜ松田陣平に固執するのかわからない以上、目的の推察は難しいか…。

でも、お兄ちゃんはもういない。捜査一家の人たちもわたしたちを助け出そうとしてくれているはずだが、目的の人物が死んでいるとなれば過激な行動に出る可能性もある。
今のところはこれ以上手出しされていないが、危険な状態であることは自分でもよくわかっていた。





カボチャ頭をした連中がわらわらと入ってきた。その中に
「!?」

お兄ちゃん、声が出そうになったが、すぐに違和感に気づく。
あれは、お兄ちゃんじゃない…もしかして、高木くん!?





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