ようこそ!団員寮へ!

「ここがMANKAIカンパニー団員寮です。」

「結構広いんですね。」

『久しぶりに帰ってきた気がする…。』

「そういえば昨日はかえでさん見かけませんでした。お友達のところで泊まっていたんですか?」

『う、うん。そんな感じ。』

本当は違うけど、お姉ちゃんが心配するし黙っておこう。支配人さんは団員寮の説明を始めた。レッスン室、談話室、お風呂や団員用の部屋。ここの団員寮は意外と広くて皆のびのびと暮らせると思う。

『お姉ちゃんは私と同じ部屋でもいい?』

「うん。もちろん。」

「ずるい。俺もあんたと同じ部屋がいい。」

『真澄君はダメだよ。皆と相談してね。』

「大体真澄君はまだ高校生なんだから寮に入るなら親御さんから許可を取らないと。」

「別にいい。」

そういえばまだ咲也君も真澄君も高校生なんだもんね。確かに親御さんから許可がないとここでは生活できない。昨日からここに入った咲也君も親御さんに黙ってここに泊まってるみたいだ。お姉ちゃんは急いで咲也君の親御さんに電話をしに、談話室を出た。

『あ、咲也君これ…、』

「あー!ハンカチですね!ありがとうございます!」

「なんで、俺がいる前で他の男にプレゼント…。」

『ち、違うよ!これは咲也君に借りてたものなの。だから次会うときは洗って返す約束だったんだよ。』

「…ならいい。」

あれ、いつの間にか浮気を疑われる夫みたいな状況になってない?真澄君情緒不安定なのかな…少し心配になる。

「あの、」

『あっ、はい、なんでしょう!』

「そんな固くならないでください!俺の方が多分年下ですし、タメでいいっすよ。」

『う、うん。ありがとう。ごめんね、実は人と話すのちょっぴり苦手なんだ。咲也君や真澄君と話すのも緊張してるの。』

「意外っすね。舞台とかで慣れてそうなのに…あっ、すみません!」

『ううん、綴君の言う通りだよ。本来慣れてなきゃいけないのに昔から演じてばっかりで人との関係構築を疎かにしてたからこんなんになっちゃった。ダメな大人だよね。』

「そんなことない。俺はどんなあんたでも好き。」

「あの!俺もかえでさんが好きですよ!」

「おい、お前。絶対に渡さないから。」

「えええ!?そんなつもりじゃないよ!?」

『ふふっ、ありがとう真澄君咲也君。』

そんなこんなで談笑しているうちにお姉ちゃんは咲也君の親御さんから許可を貰ってきたみたい。と言っても咲也君は両親を亡くしていて少し家庭環境が複雑みたいだ。そのあと真澄君の親御さんにも連絡したらしいが電話が繋がらないらしい。家に誰もいないと言うことなので、今日は真澄君もここの寮に泊まることを決めた。

この間までは支配人さんと2人だったのに、いつの間にかこんなに増えて嬉しく思えた。団員がもっと増えれば、この談話室ももっともっと賑やかになるだろう。私はそんな素敵な日が来るのを待ちわびた。