その思惑とは
「見れば見るほどネブローサに瓜二つだ。ボンゴレを腐らせるその思想も。」
『何故…私を助けたんですか…。何が目的なんですか…?』
「別に助けたわけではありません。あのまま貴女が孕まされても困るんですよ。シモンの血は絶やさないといけませんからね。」
『!!』
私を見下ろす冷たく光る瞳にぞくりと体が震える。彼は笑いながら吐き捨てるように続けた。
「次世代のボンゴレを作り上げるにはどうしても貴女の力が必要なんですよ。」
『私が貴方の力になると……?』
「思っていませんよ。マインドコントロールするのが手っ取り早いですが真覚醒した貴女には効きませんからね。私は今迷ってるんですよ。」
『迷ってる…?』
「ええ、貴女を早々に孕ませて次の星空の娘を産ませるか、貴女を絆して私の力になってもらうかをね。」
『っ、最低です…っ、』
私は自分の体を抱きしめるように腕を体に回した。彼の目的はこの星空の娘の力。思い通りにならない私が邪魔なんだ。
「次の星空の娘が真覚醒するとは限りませんからねえ。貴女を絆すのが良さそうです。」
『私は貴方なんかに絆されたりしません…!』
「それはどうでしょう。この姿なら可能性はありますよ。」
そう言って彼はジュリーではない男の姿へと変わっていく。その姿は私がよく知っている人で、私が今一番会いたい人だった。
『委員長…っ、』
「貴女が一番望んでいる姿ですよ。」
姿も声も委員長そのものだ。大事なものを汚されているような気がして憤りを感じた。
『偽物とわかってるのに絆されると思ってるんですか…!?』
「いずれ本物になります。」
『!?…どういう…、』
「彼を殺せば、私が本物でしょう?」
『…っ!!』
頭にカッと血が上って胸元にしまってある杖を掴もうとした。が、それは出来なかった。委員長の姿をしたDに再びベッドへと押し倒されたからだ。
『離して…!!』
「何を怒っているんですか?姿形、声も彼そのもののはずだ。ああ、口調が悪いですか?なら…変えるよ。君が望む通りにね。」
許せない。私はステラリングに炎を灯そうとした。しかし何故かリングを灯すことが出来ない。
『なんで炎が灯らないの…?』
「有幻覚でステラリングごと固めてあるんだよ。特殊なものだから君に炎を灯すことはできない。」
『っ、その話し方やめてください…!』
「花莉。」
『っやだ!!名前を呼ばないで…!』
頭では委員長じゃないことはわかってるのに、優しく私を呼ぶ声に心が反応してしまう。
「ヌフフ…、そうして抗おうとする姿は可愛いですね。」
『絶対貴方を許しません…っ、』
「怖いですねぇ。…ああ、もうこんな時間ですね。じきに六道骸の身体は私のものとなります。身体を手に入れたら貴女をたっぷり可愛がってあげますよ。君の愛しい彼の姿でね。」
『骸君の身体は渡しません…!!』
「ヌフフ…、たしかに貴女に邪魔をされると厄介ですね。ならば少し眠っていていただきましょう。」
彼に顎を掴まれてしまう。気づいた頃にはすでに彼から目が離せなくなっていた。Dの右目にはスペードが浮かび上がり、私の意識はだんだんと遠くなっていってしまった。
『や………だ………っ、』
「おやすみなさい、星影花莉。貴女が目覚める頃にはすでに古里炎真も壊れているでしょう。」
『えん………ま…………、』
綱吉君、どうか炎真を助けて−−−、