念願を今

*D・スペードside*

全てはボンゴレの為。ボンゴレの為なら何度でも蘇り、その道を正してみせる。

「眠りましたか。厄介な少女だ。」

本来の姿へと戻り、ネブローサと瓜二つである彼女を抱き上げた。驚くほど軽く小さな体。何故彼女が真覚醒出来たのかわからない。しかし彼女は私から一度も目を逸らさなかった。恐怖心よりも仲間を傷つけられた憤りと言ったところか。もっと弱いものだと思っていたから正直驚いた。

「貴女の望み通り、古里炎真の元へ連れて行って差し上げますよ。」

彼女を抱いたまま部屋を後にし、古里炎真のいる場所へと向かった。もうすぐだ。あの忌々しいボンゴレX世とその守護者を葬ることができる。そして肉体を手に入れ、この娘の力を使ってより強大なボンゴレを作り上げる。

「D、貴方の作戦は素晴らしいけれど、これでは犠牲が多く出る。もう少し被害が最小限にとどまるよう練り直しましょう。私も一緒に考えるから。」

そういえばネブローサはこの娘と違って気が強かった。軍議に口を出し、なるべく犠牲が少ない選択肢を取ろうとする。それが例えボンゴレの益にならなくともその姿勢は変わらなかった。

「だから失ったんですよ…。」

もうあんな思いをするのはたくさんだ。私は彼女との約束を必ず果たすと誓った。

私は洞窟を進み、加藤ジュリーへと姿を変えていく。洞窟の中にある城の奥へと進めば、予定通り古里炎真は壊れていた。シモンリングの覚醒も終わり、強大な力を手に入れた古里炎真は必ず沢田綱吉を殺すはずだ。こんなにも憎しみに溢れているのだから。

「花莉もあいつらが奪いにくる。お前の大事なもんはみんな奴等が奪う。」

「…花莉…、…シモン…コザァート…モ…ボンゴレ…ニ…ツナヨシ…ニ…、」

そうだそれでいい。更に沢田綱吉への憎しみを増幅させろ。

「花莉はお前が守ってやってくれ。花莉があいつらに奪われれば、花莉はずっとこの力を利用されて縛られ続ける。」

「花莉…マモル…。」

古里炎真は星影花莉を重力を操る力で浮かして、球体の中へと閉じ込めた。彼女はその中で眠り続けている。古里炎真はもういいだろう。私も次の段階へと進まなければならない。

城と離れた別の建物ではクロームを縛り上げていた。この娘を使って六道骸を誘き寄せる。そうすれば六道骸の身体は私のものだ。

マインドコントロールを解き、正気を取り戻したクロームはひどく動揺していた。この島に張ってある結界を解いて六道骸に会わせてやると言えば彼女は怪訝な表情をした。

シモンリングが覚醒した今、滞りなく計画を進めることができる。私は結界を解き、クロームの内臓を消した。彼女は血を吐き、苦しんでいる。この状態のクロームを六道骸が放っておくわけがない。

「!」

「クフフフ…、よくも僕の駒で遊んでくれましたね。死期を見失った黴臭い腐れマフィアが!!」

やはり六道骸が現れた。計画通りだ。

「やはり来ましたね六道骸。一目でわかります。まったくもって優れた術士だと。」

「あなたこそ一目でわかります。僕の忌み嫌うもの全ての権化だと。」

「クローム髑髏がダメだったら星影花莉にも出てきてもらうつもりだったんですがね。手間が省けました。」

「花莉の名を口に出すのはやめていただけますか。吐き気がします。彼女は貴方が口にしていい娘ではない。さあ、このまま黄泉の国へお連れしましょう。」

もうすぐですよエレナ。
待っていてください。