最期なんて言わせない
Dは少なからず驚いていた。完璧なはずだった幻覚を見破り、怒りに震えるその姿に以前のような何も知らない少女の面影を感じさせない。
「!!…私の有幻覚にヒビが…っ!?」
花莉のステラリングを封じていた有幻覚はヒビが入り、やがて砕け散った。その瞬間、花莉の体から星空の炎が溢れる。
「馬鹿な…!小娘ごときに私の幻覚世界が破れるはずなど…!!」
『言ったはずです…っ、私は貴方に負けないと……!!!』
星空の炎は幻覚世界を包み込んだ。外の世界では戦いの最中である綱吉や炎真が何かを感じとる。するとその直後にDが持っていた一枚のトランプが破れ、花莉が戻ってきた。
『はぁっ…はぁっ…、』
「花莉!」
『つな、よし…くん……?』
「驚きましたよ…、まさか幻覚世界を壊すとは。貴女の力もやはり飾りではないようだ。しかし幻覚世界を壊すのに炎を使いすぎたようですね。星空の娘であってもその力は消耗する。貴女は立つのもやっとでしょう。」
『…っ、』
悔しいけどDの言う通りだった。大量の炎を消費して幻覚世界から抜け出した私に出来ることは限られている。それでも、0じゃない。
「ツナ君早く!!!」
『!?…炎真…?』
よく見れば空にいる6人のDは、炎真のブラックホールに押さえられている。その中心には炎真の姿があった。
「エンマの奴は命を張ってDを倒そうとしてるんだ。」
『そんな…っ、』
「撃てない…、俺には撃てない…、」
綱吉君の瞳には迷いがあった。当然だ。やっと炎真と和解し、友達になれたのに。Dを倒すとはいえ自らの手で命を奪うなんて優しい彼にはできない。炎真は必死に綱吉君を説得する。仲間を想う彼の姿に涙が出てくる。ダメ、炎真を死なせたりしない。
『
「花莉…!?」
私は炎真の元へと飛び、彼を庇うように杖を構えた。
『炎真、私も一緒だからね。』
「ダメだ花莉!君はもう力を使い果たしてる!防ぎきれる保証がないんだよ!!」
『っわかってる!!!それでも…っ、炎真を1人にはさせない…!』
「花莉…っ、」
「待って花莉様…!」
地上からクロームがふわりと飛んでくる。私は彼女に手を差し出し、体を支えた。
「撃ってボス!!古里炎真と花莉様は私が守る!!」
『クロームちゃん…、』
「私にも守らせてください花莉様。防御の霧全開!!」
『
私とクロームちゃん、2人が持てる全ての力を注いでバリアをはる。正直、これでも綱吉君の炎圧を防げるかはわからない。それでもやらなければならないんだ。
「クローム!!最大出力の沢田綱吉の技はとてもお前の炎では防ぎきれない!!例え花莉の力があったとしても難しい!!」
「えっ!?そんな…、」
「お前まで沢田綱吉のくだらぬ情に流されるとは…短絡的すぎる。」
「骸様…ごめんなさい!私…、」
「困ったおてんば娘ですね。どちらにせよ今のままでは沢田は撃てまい。」
骸君は全身の炎を放ち、クロームちゃんのバリアを強化した。もうこれ以上は炎真の炎がもたない。
「ツナ君早く!!もう炎がもたない!!」
「ボス!!」
「みんな…、ありがとう。…オペレーション XX。」
気がつくと自分の杖を持つ手が震えていた。隣で頑張ってる女の子がいるのに情けない。でも私は1人じゃない。皆がいてくれるから。
「花莉…、」
『炎真、戦いが終わったら皆でケーキ食べに行こうね。』
「…!うん…!!」
きっと大丈夫。
絶対皆で並盛に帰るんだから。
「XX BURNER!!!」