誓った友情

XX BURNERを撃った綱吉は体力、気力と共に限界を迎え、超化が解けた。見渡す限り煙が広がり、D達の姿が見えない。

「クローム!花莉先輩!エンマ!」

「ボス…私は…大丈夫。」

「クローム!」

『……っ、う、』

「花莉先輩…!?」

『だ、い、じょう、ぶ…。』

体中のあちこちが痛い。頭がクラクラして今にも気を失いそうだ。瓦礫を支えにぐっと立ち上がり、周りを見た。炎真の姿がまだ見つからない。

「ゴフッ、ゲホッ!やったねツナ君!」

「エンマ!!」

「思ったより元気そーだな。」

「よかった本当に…、3人とも無事で。」

『え、んま……?』

炎真が無事なのは嬉しい。けれど、どうしてこんなにも胸がざわつくのだろうか。不安になるこの感覚は、ジュリーの時と同じ。

「ツナ君そいつは僕じゃない!!」

遠くから叫ぶ声。紛れもなく炎真の声だった。そしてその直後、骨が折れるような鈍い音が響き渡った。

『綱吉君!!』

「ぐ…う…うああっ…!」

「危なかった……実に危ない所でした…あと少しでとり返しのつかない所だった。」

「生き…てる…、」

「くう!!」

Dはボロボロではあったものの、まだ立てる状態だった。綱吉君は肋骨あたりを押さえ苦しんでいる。そんな綱吉君にDは近づき、彼の全身の骨を折っていった。私は震える体を引きずってDの元へ行き、その腕を掴んだ。彼は酷く不愉快そうに私を睨む。

『やめ、て…っ、』

「それ以上傷を増やしたくないのなら離すがいい。」

『離しません…っ、』

「所詮星空の力を持っていても貴女には何も守れませんよ。彼女ネブローサのようにね。」

『うあっ……!!』

Dに突き飛ばされ、地面へと倒れた。炎真も地面を這いつくばってDを止めるが、彼も蹴り飛ばされてしまった。

「終わらせよう。」

痛い、苦しい、だけどそんなのどうだっていい。炎真の大切な友達なの。お願いだから奪わないで。これ以上悲しみを増やさないで。

「友達なんだ!!!」

『!!』

額が熱くなるのを感じた。その直後、炎真のシモンリングが綱吉君のボンゴレリングと一つになる。

「時を経てボンゴレとシモンの意志が一つになったか。」

「お前何か知ってんな。」

「あれもまたジョットとコザァートの遺した"鍵"だ。」

『鍵…っ?』

「つーことはあのリングもボンゴレT世と初代シモンの過去の記憶に関係あんのか?」

「左様。再び過去の記憶へ誘え。」

記憶は復讐者がボンゴレT世と初代シモン達の前に現れたところから始まった。

「ボンゴレとシモンがこの先争うようなことがあれば我々が罰を与える。」

「何を言っている。お前達には関係のないことだ!たとえ掟の番人であっても。」

「そうはいかない。特にジョット君はね。おしゃぶりを持つ我々アルコバレーノとボンゴレはずっと先まで絡み合う運命なんだ。君の子々孫々までね。」

「バミューダ!!」

「君だってわかってるだろうネブローサ。君は何も言えない。言えるはずがないんだ。わかっていて彼の傍にいるのだから覚悟の上だろう?」

「…っ、」

アルコバレーノ!?なんのことだ…?」

「ジョット、いいさ。彼らに誓おう。オレ達のファミリーは未来永劫いがみ合ったりしなきと。」

「コザァート…、」

復讐者は誓いが破られた時、ボスと守護者が誇りをかけて戦い、敗者を死ぬまで投獄すると提示した。

「ネブローサ、君の子孫にはその戦いを見届けてもらうよ。」

「…いいわ。」

ボンゴレT世と初代シモンは条件として各対戦の後に本当の歴史を子孫に伝えてほしいと言う。

「それでも最後まで両ファミリーの憎しみが消えないのならお前達が煮るなり焼くなり好きにすればいいさ。だがまた再び両ファミリーが真の友情を取り戻せたならば、」

「誓いが守られた証として星空の下、その意志は一つとなりオレ達の炎を灯す!」

「ネブローサ、君を…君の子孫を巻き込んでごめん。」

『いいのコザァート、それに巻き込んでしまったのは私の方だから―――、』


「あのリングと炎は…初代シモンとボンゴレ…初代星空の娘が…僕達の友情を認めた証なんだ!」

「そうか、だから花莉の額にもメテオーラの紋章が出てんだな。」

「ふざけた真似を!ジョットにコザァート!!どんな小細工をしようとこいつらは死ぬのだ!!」

Dが鎌を綱吉君に振り下ろすが、綱吉君は先ほどとは比べ物にならないくらい素早く避けた。

「この炎は俺と炎真だけの炎じゃない。お前に苦しめられ引き裂かれたボンゴレとシモンの誓いの炎だ!」

「なぜ立っていられる!!お前の体中の骨は粉々に砕いたはず!!」

「大地の炎の重力コーティングだ。」

綱吉君の砕かれた骨はそれぞれが炎を帯び、互いに強く引き合うことで完全に修復されるだけではなくより強力な骨格を形成つくっているらしい。大地の炎と大空の炎を扱う綱吉君は、Dを圧倒した。X BURNERを直に受けたDはもう倒れてもいいほど重傷を負っているが、彼はまだ立ち続けた。何が彼をあそこまで奮い立たせているのか私にはわからない。

「最後の賭けだな、D」

禍々しく笑うDを見て、胸が痛くなるのはどうしてだろうか。