その真意は

『うわ、ベル様大丈夫なんですか?』

「朝起きたら体ちょー痛ェの。」

『でしょうね。』

並盛中へ向かう時間となり、私は大広間のテラスへと向かった。すると包帯だらけのベル様が松葉杖をついていた。

「俺を運べよ。」

『体格差考えてくださいよ。スクアーロさんにでも運んでもらったらどうですか?』

「うげっ、想像させんな。」

『ぎゃっ、ナイフ出さないでください!』

確かにスクアーロさんがベル様を運んでいるところはちょっと見たくないかも。きっとゴーラモスカに運んでもらうんだろう。私は何故かいつもスクアーロさんだけれど。

「つーかお前泣いた?目が腫れててブスだけど。」

『ブスは承知ですがそこまではっきり言われるといっそ清々しいですね。』

「ししっ、ボスに泣かされたのかよ。」

『べ、別にXANXUSさんに泣かされたわけじゃない…です…。』

泣かされたというよりも勝手に泣いたという方が大正解だ。顔を合わせるのが気まずいな。彼は毛ほども気にしてないだろうけど。

「何ペラペラと話している。」

「何だ、いたのかよヘンタイ。」

「誰が変態だ。女、何故ベルの後ろに隠れる。」

『貴方を見るとボコられた時の数が痛みます。』

「フン、軟弱な奴め。貴様のどこがいいのか俺にはさっぱりだ。」

『わかる人にしかわからないんじゃないですかね。』

私とレヴィさんの間に火花が散る。レヴィさんのことは嫌いではないがもう許せるほどお人好しではない。レヴィさんは私のことを嫌っているので、このぐらいの距離がちょうどいいのだと思う。

「う"お"ぉい!!準備は出来たかぁ!」

スクアーロさんとマーモン君、そしてゴーラモスカも集まり、全員が揃った。私はスクアーロさんの元へ近づき、担がれるのを待った。スクアーロさんが私を担ごうとした瞬間、何故か別の人に担がれた。

「ししっ、マジ?」

「明日は槍が降るかもね。」

『ま、まって、私誰に担がれて…、』

「「ボス。」」

やはり聞くんじゃなかったと後悔した。何故今日は見に行くんだ。いや、見に行くのはいい。私をわざわざ運ぶ理由はどこにある?XANXUSさんの手を煩わせるくらいならスクアーロさんに運んでもらった方がよっぽどいい。

『すっ、スクアーロさんに運んでもらうので…っ!!』

「るせぇ。」

「諦めろぉ。」

「貴様、絶対に許さん…!」

『私のせいじゃないですよ!』

結局私はXANXUSさんに担がれることになった。気まずいと思っていたところだったのに。今朝のこともそうなのだが、昨夜のことも相当気まずい。私のことを助けてくれたとはいえ、彼と唇を重ねたのだ。恥ずかしすぎる。私は彼に聞こえないように小さくため息をついた。


***


並盛中に着き、審判に戦闘フィールドに案内されたところで降ろされた。

『ありがとうございました。』

「…、」

彼は特に何も言わずにそっぽを向いてしまった。何故彼が私を運ぼうと思ったのかは結局わからなかった。しばらくすると綱吉君達が訪れる。今回はアクアリオンというフィールド。密閉された空間にとめどなく大量の水が流れ落ちるという。水位は上がり続け、規定の水位に達した時点で獰猛な海洋生物が放たれるらしい。

「面白そーじゃん♪」

「ヴァリアー!花莉先輩!」

「うししし。朝起きたらリングゲットしてんの。王子すげー。」

「花莉様、嵐のリングを勝者にはめていただけますでしょうか。」

『はい…。』

はたしてこの役割はいるのだろうか。この形式を今日から廃止してほしい。私はベル様からリングを受け取り、彼の指にはめた。

「ししっ、さーんきゅ。」

「くそっ、あんにゃろ!」

「!…XANXUS!」

「負け犬はかっ消す。てめーらか、このカスをだ。」

「なっ、う"お"ぉい!」

XANXUSさんは観覧席へと向かった。ベル様達もそのあとをついていく。私は綱吉君達の方に向かって叫んだ。

『私も心は一緒!』

「!!…あぁっ!」

拳を私の方に上がる武君に応えるように、私も拳を武君の方は出した。どうか無事に終わってくれますように。私はそう祈り、観覧席へと向かった。

「それでは雨のリング、S・スクアーロVS.山本武。勝負開始!」

この対決が、更なる悲劇を生むなんて、この時は思いもしなかった。