私の覚悟
GHOSTを倒した綱吉はついに白蘭と対峙していた。綱吉は白蘭に攻撃を仕掛けるが全く歯が立たない。何故ならGHOSTによって吸収された全員の炎が、白蘭の体の中にあるからだ。白蘭の背中には羽が生える。彼はそれを自身が人間を超えた象徴だと言う。しかし綱吉はそんな白蘭にボンゴレ匣を使って応戦するが、白蘭の圧倒的な力によって為すすべがなくなった。それどころか、白蘭に首を絞められ、絶体絶命のピンチを迎えていた。
「ハハハ綱吉クン!なんて君は非力なんだろう。こんな細い首カンタンに折れちゃうよ♪」
「ぐあっ、」
「もう少しいい勝負になると思ったんだけどつまんないなあ。リングから放たれる炎の大きさは覚悟の大きさだよ。君のみんなを過去へ帰そうとする覚悟はこんなものなのかい?」
白蘭の言葉に綱吉はリングに大きな炎を灯す。それに合わせるように白蘭もマーレリングに炎を灯し、やがてその炎圧は凄まじいものとなった。そして、大空のマーレリングとボンゴレリングは共鳴し合い、ユニの大空のおしゃぶりを引き寄せることになる。
「あっ!!」
「ユニちゃんどうしたの!?」
ユニのおしゃぶりは2つのリングと共鳴し、光り始めた。そしてユニは大空の炎の結界に包まれて、2つのリングの方へ導かれていった。
『う………っ、』
「花莉姉!大丈夫!?」
『頭が…痛い……っ、うああ…っ!!』
頭に記憶が流れ込んでくる。これは大空を背負う3人の記憶。まるで濁流のように流れてくるその記憶に私の頭はキャパシティを超えていた。痛む頭を抑え、遠くなるユニちゃんを見た。
『行か…なきゃ…、』
「花莉!?ダメよ無茶しちゃ!貴女まで行ったら…!」
『ビアンキさん…、ありがとうございます…、でも、行かなきゃいけないんです…っ、』
ユニちゃんが、綱吉君と白蘭さんが似ていると言っていたことが今わかった気がする。そして、これからユニちゃんがやろうとしていることも。私は行かなければならないんだ。
『
翼を広げ、私は戦場へと向かう。すると大きな結界の中に綱吉君、白蘭さん、ユニちゃんの3人がいた。どうやら他の人はあの結界の中に入ることが出来ないようだ。だけどきっと私なら入ることが出来るのだろう。私は自ら結界の中に入り、ユニちゃんを守るようにして降り立ち、羽をしまう。
「花莉様…何故っ、」
「わっ!天使かと思っちゃったよ!まさか君まで来てくれるなんてね、花莉ちゃん♪諦めて僕に捕まりに来てくれたのかな。」
いざ白蘭さんを目の前にすると、体が強張るのが自分でもわかる。白蘭さんは綱吉君の首を締めて今にでもその首を折ってしまいそうだ。
「もうすぐ綱吉クンがいなくなるからね。そしたら花莉ちゃんとユニちゃんはもう僕のものだ。」
『っ、やめてください。』
「やめるわけないでしょ?大体ユニちゃんが花莉ちゃんを起こさなければこんなことにはならなかったのに。結局は自分のために多くの人間が動く姿を見てみたかった。そんな興味本位から逃げてみようなんて考えたんじゃないのかい?アルコバレーノのお姫様。」
私は後ろにいるユニちゃんを見た。するとその直後、ユニちゃんのマントの内側で何かが光る。
「!?何だい今のは?何かマントの内側に隠してるね。」
「あっ、ダメです…まだダメ…、」
「まだ?」
ユニちゃんのマントの内側では何かがモゾモゾと動いており、彼女はそれを隠すようにマントを握りしめた。しかし中でうごめくものはマントから落ちてきてしまう。それはアルコバレーノの象徴であるおしゃぶりだった。赤色、青色、藍色、緑色、紫色のおしゃぶりからは何かが飛び出している。
「アルコバレーノの肉体の再構成がはじまろーとしてんな。」
「再構成!?」
「わかりやすく言えば復活<リ・ボーン>だ。」
大空のアルコバレーノの力を持ってすれば仮死状態のアルコバレーノを生き返らせることが出来るという。最強の赤ん坊達がいれば、白蘭さんを倒すことが出来るかもしれないのだ。
「でもその様子じゃアルコバレーノが復活するのにへたすりゃあと一時間はかかりそうだね。」
「!!」
「図星だね。」
ゴキャ、と鈍い音がした。白蘭さんの方を向けば、綱吉君が倒れていく姿が目に入る。
『っ綱吉君!!』
「誰が復活しようと負けっこないけど時間がもったいないだろ?この頑丈な結界の中にはもう誰も来やしないよ。これで君達は僕のもの。」
『私達は貴方のものじゃないっ、』
「いつから君はそんなに聞き分けが悪い子になっちゃったのかな?そうやって口答えばかりしてると、また君のせいでみーんな死んじゃうよ?君の両親みたいにさ。」
「花莉様…、」
わかってる。私のこの瞳のせいで誰かを失うのは怖い。この戦いでも沢山の人を巻き込んでしまったのだろう。それはきっと償いきれない私の罪。
『確かに…私のせいで両親は死んでしまったのかもしれないです…。私が生まれて来なければ両親は死ななかったかもしれない。それでも、母は私がお腹にいる頃から私を愛して、幸せを願ってくれていた…っ、』
『命を懸けて私を幸せにしてくれようとしていたのに、私が幸せになるのを諦めてしまったら意味がないじゃないですか…っ、』
『あげません…っ、この世界も、私達の未来も貴方のものじゃない…!!絶対に奪わせたりなんかしない…!!』
誰もが、その凛々しい姿に目を奪われた。涙を流し、触れれば壊れてしまいそうな花莉が、強い意志を持って白蘭に対峙する姿を誰が想像しただろうか。そして、花莉の想いにステラリングが応えるように光り輝いた。
『!!!』
「花莉のリングが…!!」
「花莉のリングだけじゃねぇ。俺達のおしゃぶりや、ボンゴレリング、白蘭達が持つマーレリングもだ。」
「73の光が花莉様のステラリングに集まっています。」
73は光り輝き、そしてその光は線となって花莉のステラリングへと集まっていた。花莉の額にはメテオーラの紋章が浮かび上がる。
「【それが貴女の答えなのですね。】」