大空と星空のファンファーレ

「何の遊びだい?綱吉クンのソレは。誰なのかなその男は?」

「ボンゴレファミリーの初代ボス、ボンゴレT世。」

「!T世?ハハハ、からかうのもいい加減にしてくれる?そんな大昔のご先祖様をホログラムで投射するなんて悪趣味にも程があるよ。」

「ホログラムではないです。貴方もそう感じているはずです。これは73の中でも貴方のマーレリングにも私のおしゃぶりにも起きない。ボンゴレリングの"縦の時空軸の奇跡"。」

「縦の時空軸の…、」

「奇跡?」

白蘭さんは怪訝な顔をしてユニちゃんを見た。縦の時空軸の奇跡、そう呼ばれるものが今この瞬間に起きているようだ。

「生まれた時から私の記憶に焼きついているこんな詩があります。」

「"海はその広がりに限りを知らず、貝は代を重ね その姿 受け継ぎ、虹は時折現れ はかなく消える。その煌めく星空の下で 見守られながら。"」

その詩は73のそれぞれの大空の在り方を示している。どこまでも広がる「海」は横の時空軸、平行に広がる平行世界を生き、代を重ねる「あさり貝」は縦の時空軸、過去から未来への伝統の継承を生き、「虹」はどこにもとどまらずその両方に線ではなく点として存在するもの。「星空」はその全てを見守っていくことを示しているとユニちゃんは言った。

「悪いけどユニちゃん、その話に信憑性はないなあ、だって僕が初めてパラレルワールドを意識できた時、僕はまだマーレリングを持っていなかったんだよ?」

「それは貴方が、リングに選ばれた適応者だったからです。ボンゴレT世と同じように。」

「【さあ]世。お前の枷をはずそう。今のボンゴレリングは仮の姿だ。ボンゴレリングはある時より厳格な継承をするために2つに分割しボスと門外顧問の2人が保管することとなった。】」

「ヴァリアーとの戦いの時の形状だ!」

「真っ二つに分けられたハーフボンゴレリングのことだな!」

「【だが分割できる構造を保つために同じ73のマーレリングやアルコバレーノのおしゃぶりに比べ、炎の最高出力を抑える必要があった…。しかしもうその必要もない。お前にならこのリングの本当の意味と俺の意思をわかってもらえそうだからな。お前の意見はどうだ?ネブローサ。】」

ボンゴレT世は私の方を見る。するとステラリングからメテオーラの紋章が浮かび上がり、女性が現れた。金色の長い髪に、星空の瞳。額にはメテオーラの紋章が浮かんでいる。

「【賛成よ、ジョット。】」

『初代…、星空の娘<ファリア・デッレ・シエロステッラート>…、』

「【花莉、貴女から見てX世はどうかしら。】」

『…綱吉君は、臆病で…気が弱くて心配になることがあるけど、いつも仲間の為に行動できるすごく優しい人です。綱吉君といると、心がぽかぽかして私も優しい気持ちになれます。』

「【君の目も、狂いはなかったなネブローサ。】」

「【ええ、本当に花莉で良かったわ。…X世、貴方はきっとボンゴレの姿を本来のものへと戻してくれる。その温かい炎をいつまでも灯していてね。】」

そう言って、祈るように手を合わせたネブローサさん。ボンゴレリングは光り輝き、その姿を変えた。

「これが原型のボンゴレリング!」

「【X世、マーレの小僧に一泡吹かせてこい。】」

「【花莉、心に広がる星空を、どうか忘れないで。】」

彼女はまるで何かを愛しむような優しい目で"彼"を見てから消えていった。そしてT世とその守護者も消えていく。

「ハハッ、相当ふざけたご先祖様だね!」

白蘭さんがそう笑った直後、彼は綱吉君の手によって結界へと叩きつけられる。枷の外れたボンゴレリングを手にした彼は白蘭さんの攻撃を物ともせず、応戦していく。その姿は先ほどと比べて見違えるようだった。羽をもぎ取られ、地面に叩きつけられた白蘭さんは煙の中で笑っていた。

「すごいよそこの綱吉クン。君は無数のパラレルワールドの中で唯一僕に血を吐かせた個体だ!いやあ嬉しいなあ。こんな日がくるとはねー。なにが嬉しいって…、生まれて初めて全身の力を使い切ることができる!!」

物語の終わりはそろそろ近づいていた。