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乱数君との待ち合わせ場所に着いた。が、カラフルで目立つ彼の姿は見当たらない。時間も10分前だしまだ来てないかな。
「だーれだっ!」
明るい口調とともに突然暗くなった視界に「ぅおあっ?!」とおかしな声で叫んでしまったが、誰に目を隠されているかはすぐに検討がついていた。
「はは、乱数君でしょー」
「ええ〜答えるの早すぎるよ!」
少し不満そうに頬を膨らませる乱数君の仕草は年上の男性という事を忘れてしまう程可愛い。失礼だけど、下手したらそこらへんの女の子よりも可愛い気がする。いやでも男の人に可愛いって思うのも失礼…
「それじゃあ、早速いこっ?」
うん、やっぱり可愛い。
△▼△
目的地であるケーキ屋さんは外観も内装も可愛いデザインで、お客さんの殆どが女の子だ。そんな状況でも何の違和感も感じさせず溶け込んでいる乱数君は、「う〜んどれにしようか迷っちゃうな〜」と店員さんが渡してくれたメニューとにらめっこしていた。「全部美味しそうだから決めきれないね」とお互い笑い合うと女友達と来ている気持ちになった。それから乱数君はフルーツタルト、私はいちごのショートケーキと数分かけて厳選し店員さんに頼んだ。
「今日は誘ってくれてありがとう、乱数君」
「僕の方こそ棗にとっても会いたかったからすっごく嬉しいよ〜!」
「そう言ってもらえて私もすごく嬉しい!ずっとお仕事だったの?」
「そうなの! 昨日やっと納品出来てさ、もうヘトヘトなの〜。だから棗、僕を癒して?」
「いっ癒し…?」
癒してってどうやって?肩もみとか?でもお店の中でするのも目立っちゃうし…。うーん、本人に何をしてもらいたいか聞いた方が早い。
「乱数君はどうして欲しい?」
「うんとね、頭撫でて欲しいなっ!」
えっ? それでいいの?乱数君は「早く早く〜!」と此方に頭を向けており撫でられる準備は整っているようだ。
見た目はとっても可愛いけれど24歳。失礼じゃないかな、と思ったけど乱数君の行動からみて冗談じゃないみたいだ。
恐る恐る乱数君の頭に触れると、とてもサラサラとしていて触っていて気持ち良く、気がつけば撫でる速さが上がっていた。いけないいけない、自制しないと、
「えへへっ、棗に撫でて貰えて僕すっごく嬉しい〜!」
だめだ!乱数君が可愛くて撫でる手が止まらない!ずっと撫でていたい、とすっかりメロメロになっていたところで「お待たせいたしました〜」と頼んでいたケーキを持って微笑む店員さんが来てくれたおかげで、何とか手を止める事が出来た。ありがとう店員さん!
届けられたケーキを改めて見るととても美味しそうだ。乱数君の方を見てみれば、既にスマホでケーキの写真を撮っていた。流石インスタ上位…撮るまでの行動が素早い!
「すっごく美味しそうだねっ!棗のも一緒に撮らせて!」
「うん、いいよ」
私のいちごのショートケーキを乱数君の方へと移動させる。お店の照明に照らされている果物は宝石みたいにキラキラしてとっても綺麗で、食べるのが楽しみだと思いつつ乱数君の撮影会を見守った。
「ありがとう!棗のおかげで可愛い写真が撮れたよ〜」
「見てみて!」とスマホに映し出された写真を見せてくれる乱数君。どう撮ればより美味しさが伝わるかを心得てる彼は本当に凄いと思う。
「早速インスタにあげよっと」
「それじゃあ私も早速いいね押そっと」
「ありがとー! 棗は写真載せないの?」
「いやー撮るより見る方が好きだからなぁ」
それから2人で一緒にケーキを食べてすごく美味しいと言い合う中、内心改めて女友達と遊んでいるみたいだなと思った。本当に乱数君の可愛さは恐ろしい。
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