06
「我愛羅、お前もこの後うちに寄ってくだろ?」
「ああ、名前が世話になったな」
会談も無事終わり、外に居るメディアを散らした後でナルトに声を掛けられ、ナルトの家まで名前を迎えに行くことが決まった。
火影の屋敷を出、ナルトが一人で喋っているのを聞きながら久方ぶりに訪れた木の葉の里を堪能するように歩く。
「そういえば、お前さっきシカマルになんか言われてたけど?」
「、、、聞いていたのか」
いかにも興味津々だと言わんばかりの顔で聞いてくるナルトをジト目で見る。
聞いたんじゃなくて聞こえただけ!と慌てた様に言い返してくるも、別に面白い話じゃないぞ。と、その話は終わりと釘を刺した。
「俺が相談に乗ってやるってば!友達だからな!さあどんとこい!」
暗い話になるかもと終わらせようと思ったが、どんっと自分の胸に拳を当て、自身満々に太陽の様な笑顔を向けてくるもんだから、俺を孤独から救ってくれた友人なら、今回もなにか助け舟を出してくれるかもしれないと、不甲斐ないが考えた。
シカマルから先程、最近本当に一般人の自分を愛してくれているのか分からない時がある、養子の事も何も言ってくれなかったから自分との子供をつくるのが嫌だったんじゃないか、と名前が悩んでいた。と聞かされ、心臓を鷲掴みにされた気分になった。
聞いたのが会談後で良かった。
会談前だったら、話なんて耳に入って来なかっただろう。
「俺は口下手がすぎるんだ。言わないといけない事も言わずに行動してしまう、名前に甘えすぎているのかもしれない」
「なんだ、分かってんじゃん」
それなら話は早えんじゃねーの?とヒントをくれるが答えをくれないナルト。
ずっと孤独で、自分の事は自分で、誰の事も信用せず、誰にも相談せずに行動していた癖が残っているんだと思う。名前の事は勿論信用しているし愛しているが、俺が勝手をしても何も言わずついて来てくれている名前に甘えていることは重々分かっているつもりだ。
「そんな自分を改善する術が分からないんだ。愛している事も伝え方がイマイチ分からない。なかなか難しい。」
「、、、お前は自分を改善なんてする必要はねぇと思うってばよ。そうそう性格ってのは変わらねえしな。それに愛してる事を伝えるのなんて簡単だ。言えばいいだろ?愛してるって。な?」
名前ちゃんは今のお前を愛してくれてるはずだから自分の性格を改善はしなくていい、
ただなんでも話し合いは大事だから、口下手だとしてもそれはしていかなきゃな、言わないと分からない事は沢山ある。
一般人の自分で本当に良いのかって言ってる辺り、忍である我愛羅の事を理解しようとしてくれてるだろうから、我愛羅も名前ちゃんの事理解しなきゃならねえ。その為にはお互い本音で話し合いだってばよ!と、蒼い双眼を線にしながら説いてくる。
俺は難しく考えすぎなんだろうかと返すと、喋り方がまず難しいんだよ!と頬をつねられた。
「夫婦ってのはあくまで元々他人だからな、忍者同士でも諍いは出てくるもんだってばよ。察してくれって思ってるとどんどんすれ違いになっちまうぞ。できた溝は早々に二人で埋めときゃいいんだって!お互い愛してるならできるってばよ!」
な!と今度は肩を叩かれる。
ああ、やはりナルトは太陽の様だ。
幼い頃の俺を救ってくれ、今回も俺の心の内を穏やかな空気でいっぱいにしてくれた。
あまり人と関る事を得意とせず、妻をも俺のせいで悩ませてしまっていた俺に助言してくれる。
俺はいつも助けてもらってばかりだな。
「ありがとう、ナルト」
「なんだよ、友達だろー!俺とおんなじ人柱力で辛い事もあった我愛羅だからこそ幸せになって欲しいって、俺思ってっからな!」
さ!気をとりなおして大事な大事な妻を迎えに行くってばよ!
と八重歯を見せて笑う。
折角ナルトが背中を押してくれた暖かく木々が揺れる木の葉の里で、名前との愛を確かめ直そうと思い、先に歩き出したナルトの背中を追った。