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それから大変だった。
目の前の萌え狸に白旗をあげた私は結局腕を掴まれたまま周りから白い目で見られつつテマリさんの家へ向かいテマリさん、シカマルさんとその息子のシカダイくん、それとカンクロウさんと共に夕食をいただいたのだが
何故か私の隣には肩がぴたりとくっつく程の位置に我愛羅が座っていて食べづらいったらありゃしない。
シカダイくんもいるんだからもうちょっと離れてくれと頼むも、名前は嫌なのかと言われ、
嫌じゃないけど。なら良いじゃないか。
の押し問答で結局最後は私が負けるの繰り返し。
私が箸でつまんだ食材を横から口で掻っ攫ったりして、甘えてもいいんだよと言った少し前の私にそれは言うなと教えてやりたくなった。
子供の前でやめてよほんと。
「、、なあ、お前らどうしたんだよ」
「ちょっと私にも何故我愛羅がこうなったのか分かりません助けて下さいシカマルさん」
愛されているいない問題で悩み落ち込んでいた私はどこへやら。
そう思ったのはシカマルさんも同じだと思う。
このゼロ距離にいる甘えん坊狸から離脱したいと助けを乞うたがめんどくせえの一言で終わらされた。
姉兄にも同様の対応をされシカダイくんについては大人って大変なんだなと呟きもくもくと目の前の母の味を堪能していた。
夕食も終わり親戚同士の団欒中も結局ずっと離れず私の横に居座る我愛羅へそろそろ宿に帰ろうと言いみんなで立ち上がる。
「シカマルさん、テマリさんご馳走様でした」
「いいんだよ、また来な」
カンクロウさんも同じ宿な為三人で玄関先での挨拶も程々にテマリさん宅を後にする。
流石にカンクロウさんも居る為か今は私の腕に絡んできていない我愛羅を横目に宿までの道のりを歩く。
「じゃ、俺は別の部屋だから後は二人で楽しめよ」
「楽しむってなんだセクハラやろーが」
宿に着きセクハラ紛いの言葉を残して私達の前から消えた隈取り。
思わず口が悪くなったがそこはご愛嬌。
私たちも部屋で休もう、と自分たち二人に用意された一室へと足を運び腰を据える間も無く私はお風呂行ってくるからと我愛羅を一人残して宿にある露天へ向かった。
「ふぅ〜〜、幸せ〜」
お風呂ってなんて幸せなんだ。
あったまって、さっぱりして気持ちいい布団で寝る。
夜のルーティーンとはこれまた至福。
鼻歌を混じえながら身体を洗いぬくぬくと白く濁ったお湯に暫く浸かり、長湯し過ぎたかな?なんて思いながらそろそろ上がろうと露天を後にし、宿が用意してくれていた浴衣に身をつつんでから濡れた髪を乾かし部屋へと戻る。
「お風呂すごい気持ちよかっ、、」
す、と今しがた開けた襖を、中にいる人物を見て再度閉めた。
、、、なにかなアレは。私が居ない間に我愛羅もお風呂に入ったんだろう。私と同じ浴衣を着ていた。いや、着ていたなんて言えるもんじゃない。
一瞬しか見てないけど浴衣はほぼ脱げていて、羽織っている感じだった。
ほぼ胸板は見えていて、下は履いていた様だが。
そしてどこから持ってきたのか、日本酒を呑みながら片膝を立てそこに肘をついている奴がいた。
衝撃だろうが、私と我愛羅は一緒になってからそのような行為をしていない。
それどころかお互い服を着ている様しか見たことない。同じベッドで寝てるけど、
だから襖を開けた瞬間驚いた。そして閉じた。
そうだ、別の部屋を用意してもらおう。そうしよう。
「名前、、早く入ってこい」