09

「おい」

「はっ!え!何時?!遅刻!」


……あ…今日土曜か。
昨日ビール飲みながら我愛羅君と喋っててそのまま寝ちゃったんだ。
そういえば一緒に住む事になったんだっけ。てか我愛羅君はやっぱり眠れなかったのかな守鶴のせいで。
私が寝ている間外になんて出てないよね?


「外には出ていない」


そ、そうですか。
今心読んだの?そんな事もできたっけ?
何はともあれ、ちゃんと大人しくしていてくれて助かった。
今日からは一緒に寝よう。ちゃんとベッドで。
嫌だと言われても引きずり込もう。ベッドへ。

「改めて、おはよう。今日からよろしくね」


返事が無いのは分かっているが今はそれでいい。いい事にしておく。
軽い挨拶を済ませ、今日我愛羅君の生活必需品やらを買いに行かなければと説明をし、昨日入りそびれたお風呂に入ってくるからと部屋を出る。

そういえば我愛羅君はお風呂とかって、入ってるよね?漫画にはそういう描写は無かったけど、木の葉には温泉とかあったみたいだし。砂はどうなのか知らないけど。

なんにせよあまり待たせる訳にはいかないのでシャワーのみで済まし早々と浴室から出、脱衣所にて私は重大な事に気付いた。



着替え、ここまで持ってくるの忘れた……。



一人暮らしだし今までは風呂場から裸のまま部屋へ行き服を着るスタイルだった私はいつも通りに来てしまった。
どうするか、先程脱いだ服は脱衣所であるここにあるが、スーツだし、下着だって一度履いた物を一瞬でも履くのは気が引ける。うーん。

こうなったら気にしないという事でバスタオルを巻いて出ていこう。悩んでも仕方がない。
10ほど歳下の子だ。私が気にする事も無い。

気にしない気にしないと、バスタオルを巻き、濡れた髪もそのままに部屋へと戻る。
出たよ〜の声と共に突然バスタオル姿で現れた私に一瞬驚いた様な表情を見せた気がしたが気にしない。なんかごめんよ我愛羅君。

パンツはバスタオル巻いたまま履けるが流石にブラジャーは無理なので先に我愛羅君を部屋から追い出したいとお風呂入っておいでよ、シャワーだけだけど。声をかけると、私の気持ちも汲み取ってくれたのかは分からないが素直にお風呂場へと向かっていった。
10歳下と言っても男の子だ。私も流石に男の子の前で裸をおっ広げる訳にはいかないから助かった。

って、我愛羅君も着替え持って行ってないじゃん。
下着も持って行ってない…てか新しい下着とかなく無い?!どうしよう!
今から買いに、ああでも一人にするの不安!
えー!どうしたらいいのー!

「と、とりあえず私が服着なきゃ」

バスタオル姿のまま悩んで我愛羅君が戻ってきたら意味がない。

一先ず、と服を着て、髪を乾かす前に脱衣所まで入り、浴室の扉を叩き我愛羅君を呼んだ。

「が、我愛羅君、あの、着替え、下着の事なんだけど」

「今のままでいい」


即答なんだ、ない事分かってくれてるからかな。
扉越しなので表情は伺えないが、変わらず低い声で今のままでいいと言われ、それをダメだよと言える状況じゃないので助かる。
今は申し訳ないが同じものを身につけてもらおうと、Tシャツだけ新しいやつ、ズボンはこのまま履いてね、ごめんね。と言い脱衣所を後にする。


しばらくして我愛羅君が上がってきたところで、私も出かける準備が出来た。

「髪、乾かしてあげるよ」


お風呂上がりで少し火照っている様子の我愛羅君にドライヤーを向けながら、部屋の隅にあるベッドに座ってと促すと素直に座る。
お風呂上がりで砂の鎧は無いのかな、火照ってるせいなのか顔もちょっと赤いし。

短髪なのですぐ乾き終わったよと声をかけると、すまない。と。

……ん?すまない?すまないって言った?
え、ありがとうって事だよね?ね?!そうだよね?!


「…は、はっはっはっ。こ、これくらい構わんよ」

だめだ明らかに動揺した。
可愛いすぎて萌えすぎて。今なら目にねじ込んでも痛くない可愛いすぎて。
そんなに可愛いお礼を言うなら毎日髪乾かしてやんよ。

よし、この調子で顔に化粧水も塗ってやろう。と我愛羅君をこちらに向けさせ化粧水を手に少量とり彼の顔につけようとすると拒否された。
化粧水だよ?乾燥するでしょ?と言ってみるとそんなの塗っても意味ないと。彼の事を知らない人ならなんで意味ないの?となるだろうが、そこは聞かないでおいて自分の顔に叩き込んでおいた。
いつ砂の鎧したんだろう。早技なんだなあ。

よし、じゃあ出かけようか。と意気込んで言おうと思ったが、その前にと脱衣所まで行き洗面台の下にある棚から買い置きしておいた歯ブラシを取り出し後ろを付いてきた我愛羅君に渡す。

「これ渡すの忘れてた。歯磨いてから出発ね。」

終わったら浴室にある私の歯ブラシが入ってるコップに刺しといてねーと言い脱衣所から出た。