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「お、来たな。我愛羅おじちゃん、名前さん、おめでとう」

「シカダイ君!ありがとう〜!」


ボルト君に手を引かれ、大勢の人を掻き分けながら辿りついたテーブルには、木の葉から来てくれた面々の子供達が集まっていて、ボルト君とその妹のヒマワリちゃんと、シカダイ君の他にもサラダちゃんやミツキ君、そして初めましての子達までいた。
ボルトのキャラが大集合してる…!


「名前、紹介するってばさ!えっと、こっちがシカダイで、」

「おいボルト、俺は知ってるだろ」

「ああ!そうだったな、」


少し顔を染めて、わりーわりーと頭を掻きながら、妹と友達を紹介してくれる。
猪鹿蝶の面子、メタル君、サラダちゃんやミツキ君をも紹介してもらって、よろしくと頭をさげた。
みんな可愛い……天使かよ。
特にヒマワリちゃん。ああ連れて帰りたい。


「他にもいっぱいいるからよ、そいつらは今度木の葉に来た時紹介してやるってばさ!」

「うん!楽しみにしてる!本当に今日は皆、来てくれてありがとう」

「ダチなんだから当たり前だろ!我愛羅のおっちゃん、名前を泣かせんじゃねーぞ!」

「ああ。肝に命じておこう」


明るくって友達思いで、ついこの間友達になったばっかりの私にそこまで言ってくれるボルト君はもはや神様仏様。なんて良い子なんだ。
それにしても、我愛羅のおっちゃんと呼ばれているのが面白い。

皆はまだお酒が飲めないからジュースで乾杯。他愛もない会話をしながらテーブルの料理をつつく姿を微笑ましく観察。
チョウチョウちゃんは食いっぷりが流石だし、ミツキ君とボルト君は二人で砂隠れの里を探検したいと話していて、ヒマワリちゃんもそれに賛同している。サラダちゃんとメタル君は我愛羅君にどうやったら強くなれますかなんて聞いていて。真面目だなあ。
そんな皆を私と同じように、シカダイ君といのじん君は静かに見つめていた。


「名前」

「あ!テマリちゃん!」


子供達が集まる場所のすぐ横辺りにあるテーブルに集まっていた大人組の皆さんの中から、テマリちゃんが声をかけてくれた。

久しぶりです〜!と言いながらそちらへ寄っていくと、大人の中に混じって少し小さい子が三人いることに気がついた。

あ、シンキ君。こんなところにいたんだ。


「シンキ君、とアラヤ君ヨドちゃん、テマリちゃん達と一緒にいたんですね」

「ああ。黙って大人の話を聞いてるよ。何が面白いんだか。それはそうと、シンキがさっきお前の事を義母上と呼んでいたんだが、」

「あ!そうなんです!今日の朝、突然呼んでくれて…!もう嬉しくって泣いちゃいました」

「そうか、心配してたんだ。シンキはちゃんと懐くんだろうかってな。安心したよ」


ニッ!と笑って私の肩をポンと叩くテマリちゃんは、改めておめでとうと言ってくれた。


「まあ、我愛羅が嫌になったらいつでもウチに来な!」

「ま、まじですか!我愛羅君の事が嫌にならなくても遊びに行って良いですか!」

「ははは!勿論さ。シカダイもえらくお前に懐いてるようだし、お前はもう私の義妹だ。いつでも来な」


おおおお義姉さん…!
カンクロウ君もそうだけど、兄弟のいなかった私には、妹だよと言ってくれる事に歓喜して思わずテマリちゃんに抱きつく。
おお…!とよろけながらも受け止めてくれた。シカマル君、テマリちゃんを今だけでも独り占めしてごめんね!


「………義母上、何をしているんですか」

「ん!シンキ君!君のお父さんのお姉さんに抱きしめてもらってるんだよ、良いでしょ」

「……折角の着物が崩れますよ」

「…え〜〜、なんか急に小姑みたいになってるんだけど。いいじゃん久しぶりに会うんだから」


義父上の名に恥じぬようにしてください。と最後に言われ、渋々テマリちゃんから離れる。
どっちが母親か分からないなとテマリちゃんには笑われた。
まあ確かに、風影様と結婚したんだもんね私。もっとしっかりしなくちゃなあ、なんて思っていると後ろから我愛羅君が声をかけてきて、小姑シンキ君を宥める。
なんだか本当に、シンキ君の方が私の親みたいだ。


「お〜!我愛羅親子が揃ってるってばよ!我愛羅、おめでとう!」

「ナルト、今日は本当に感謝している。これだけの忍が皆、ここへ出向いてくれている中警備としての忍も派遣してくれて。すまないな」

「なーに言ってんだ!俺の祝言の時、砂から忍を送ってくれただろ!」


バンバンと我愛羅君の肩を叩きながら、相変わらず太陽の様な笑顔で話をしているナルト君の顔は少し赤く染まっている。結構飲んだのかな。


「あの、名前ちゃん」

「え?あ、…えっと」

「ヒナタです。結婚、おめでとう」


名前を呼ばれて振り返り、そこにいた人物の名前を思わず言ってしまいそうになって踏み止まると、向こうから名乗ってくれた。
ヒナタちゃん…子供の時も可愛いかったけど、大人になって綺麗になったな〜〜。
今日は正装もしてるから余計に綺麗で、おめでとうと微笑む姿が女神かと思った。


「ヒナタさんですね。ナルトく…火影様の奥さんですよね。今日はありがとうございます」

「ええっと、そんなに堅苦しくしなくても…、私も名前ちゃんも影の妻で、同じ境遇だし、なにかあったら聞いてね」


す、と手を差し出され、握手を求められる。
その差し出された白くて綺麗な手に向かって、私も手を伸ばすと、突然両手で握られた。


「わ…!」

「あ、ごめんなさい、でも私、同じ境遇の人に出会えて嬉しくって、その、よろしくね」

「…!」


ふおおおおおおお!
ナルト君の笑顔も太陽みたいだけど、このヒナタちゃんのはにかみながらの笑顔はもっと太陽…いや天使!女神!うう…ぐうかわ…!
この夫婦、というか親子全員、我愛羅君とシンキ君にその笑顔の仕方を教えてやってくれ…!


「あの、名前ちゃん?」

「はっ…!あ!こ、こちらこそ!今後共よろしくお願いします!」


ヒナタちゃんの笑顔に当てられて、ぼーっとしてしまっていると顔を覗き込まれてハッとした。
そして私の手を両手で握っているヒナタちゃんの手を、私も両手で握りなおしてからブンブンと振って、何回もよろしくお願いしますと言った。

それからは木の葉のみんなと自己紹介をし合って、他愛の無い会話に花が咲く。

リー君は我愛羅君の素晴らしさみたいなのを凄く語ってくれたし、
いのちゃんサイ君夫婦は、こんな若い子捕まえて我愛羅は幸せねーとか言っていて。うん、若いのは良いけどどうやったらそんなナイスバディになるのか教えて?
キバ君は犬派なのか猫派なのかを聞いてきて、…あ、そういえばシノ君はアカデミーを抜けられなくて来れなかったらしい。また今度挨拶しに行かなきゃ。
チョウジ君は相変わらず大食いで、もっと食べなよと私に言ってきたけど、それをシカマル君に止められていた。

何より一番驚いた事が、サスケェが来てた事。
サクラちゃんと一緒にいたサスケ君は、小さく、おい、と声をかけてきて一瞬目を見張ったが、すかさずサクラちゃんが、怖がってるでしょーと言うと謝られた。
もう美男美女すぎて言葉が出ない。なんなんだ。サクラちゃん、一旦顔交換して?