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旅館に帰ってきた私たちを女将さんが笑顔で出迎えてくれ、お腹空いたと言うとすぐ夕食の用意をしてくれると言ってくれた。

夕食の用意ができるまで部屋でゆっくりどうぞと言われたのでそうする事にさせていただこうと我愛羅君と部屋へ行く。

女将さんは優しいし、ご飯も美味しいらしい。なによりこの部屋を決めたのは、ほかの部屋には無い貸し切りの露天風呂が備え付けされているから。


「…部屋は一つなのか」

「え!別部屋が良かったの?!一緒に住んでるのに?!今更?!」


障子を開け部屋を見渡す我愛羅君からとてつもなく今更なことを言われ思わず声をあげる。

突然の思春期みたいな事言わないで貰えるかな。
ああでも男の子だもんなあ、一緒に住んでるって言ってもやっぱり旅館とかに来るとちょっと意識しちゃう的な?
今の我愛羅君にそんなスペックあったの?めちゃ萌えなんだけど?なんなの?
それともただただいつも一緒だから旅行時くらいは離れたいとか?
それはそれで悲しいな。


「ほんとに、一緒の部屋じゃ嫌だった?」

「……いや、いい。すまない」


ただなんとなく部屋は一つなのか疑問に思っただけと説明してくれ、我愛羅君は部屋の端っこで壁に持たれて座った。

嫌だった訳じゃないのね、良かった。まあ今更、嫌もクソもないだろうけど。

我愛羅君に続き私も部屋へ入り、鞄を置いてから机の上にある備え付けのお茶を淹れ、お菓子をつまむ。
旅館てお菓子置いてあるから好きなんだよね。どれも美味しいし。

我愛羅君も食べる?と机を挟んだ向こう側で壁にもたれている我愛羅君に声をかけるが必要ないらしい。無視された。
…ま、もうすぐご飯くるだろうしね。


「我愛羅君!こっちに露天風呂あるよ〜!!」


お茶を飲みつつ、そうそう!と我愛羅君が座っている壁側の横の、所謂縁側がある襖を開けた。


「ここは貸し切りだからね〜!いつでも入っていいんだよ、ご飯食べたら一緒に入ろうよ!」

「……一人で入ればいいだろう。俺はいい。」


え〜〜、と口を尖らせてはみるが、拒否してくるのは分かってたもんね、でも押しに押したら意外に優しい我愛羅君は断れなさそうなところもありそうだと思ってるからご飯食べた後にもっとねだってみよう。
一人より二人で露天風呂とか最高だし。