22

そうこうしているうちに、お夕食の準備ができましたと、次々に食事がテーブルに並べられ、うおおおおおお美味しそおおおおおおと歓喜の声を上げる私に女将さんがフフ、と笑った。


「ではごゆっくり、お食事済まされた後は部屋にある電話でお呼びしていただきましたら下げに参りますので」

「あ、はい!ありがとうございます!」


ニコニコと笑顔を忘れず膝をついたまま扉を閉める女将さんを見送って料理が並べられたテーブルに向かい早速いただきますと手を合わせる。
我愛羅君もそろそろと料理に手を出し、食べ始め気づけばあっという間に完食。


「美味しかったね!流石料理が評判なだけある〜!我愛羅君は何が美味しかった?」

「……タン塩」


そういえばタン塩と…砂肝だっけ。好きだったんだよね我愛羅君は。
本当にそんなおじさんみたいな食べ物が好きなの?て原作を読んでた時は思ってたけど本当なのね。


「ここは本当に素材が良いみたいだよ。タン塩も普段食べられないような美味しいやつだったんだろうなあ」


とりあえずご馳走様でした。と言いつつ空になった食器達を早々に下げてもらおうと部屋の電話で女将さんを呼び、片してもらう。

窓から空を見ればすっかり濃紺。今日はよく晴れてるし月を見ながら晩酌プラス露天風呂にしようかな、う〜〜最高。
月とか星が綺麗に見えると田舎って良いなと思うが、それは普段都会に住んでてあまり綺麗な空を拝めないから余計に思う事だろう。


「女将さん、あの、お風呂入る時に、ちょこっとお酒が欲しいな〜と思うんですけど。日本酒とか」

「あらまあ、なかなか渋い事言いますね。この頃この辺田舎は夜少し肌寒い事もありますから、熱燗、ご用意致しますね」

「うわあ!やりい!じゃあお風呂入る時言います!」


テーブルを綺麗に片してくれている女将さんに強請ると流石な返事。肌寒くて露天風呂で熱燗なんて最高ではないですか。おほほほほ。
我愛羅君が成人してたら付きあってもらうのに。残念だ。

女将さんが出て行った後、食事をする前の位置に移動して大人しくしている我愛羅君に二十歳になったらお酒付きあってよね〜と明日にでもいなくなるかもしれないのに不安定な約束を勝手にこじつけると意外にも、ああ。と返事が帰って来てびっくりした。