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ちゅんちゅんと小鳥のさえずりが聞こえだんだん意識がはっきりしてくる。
鳥の鳴き声で朝を迎えるなんて、なんと流暢な…
って、朝?!うそ!完全にあのまま寝ちゃったんだ私!
風邪ひくじゃん!と思いつつも暖かく自分にのしかかる布団に気づき、もしかして我愛羅君が掛けてくれたのかな?とか思っていると今度は自分の胸辺りでモソモソと動く何かに気づいた。
「っえ!が、我愛羅君!なんでそんなとこにいるの?!」
「…起きたのか、お前が離さなかったから仕方なくここに居た。」
「え、ずっと?じゃあ布団は?私から一旦離れて布団を掛けた後もう一度私の腕の中に飛び込んできたみたいな萌え展開を期待すれば良い?」
「……砂で引き寄せただけだ」
チェ、なーんだ。
それにしても砂で手繰りよせるなんて、便利なものよのお。
「もしかして寒かった?ごめんね、私が寝ちゃったから」
「…お前の格好が、見るに耐えかねたから掛けた。」
今だ私の腕の中でボソボソと喋る我愛羅君に視線を向けると、我愛羅君の頭と一緒に私自身の胸が見え、、
「え!!!私!裸じゃん!なんで!バスタオルは?!」
驚愕の光景すぎて思わず我愛羅君の頭をガシっと抱き込み自身の胸に押し付ける。
見られるよりマシ見られるよりマシ。
って、もう見られてんのか、はあ。
「…む、…バスタオルならお前が自分で剥いでいた」
もうそろそろ離せ、と私の腕から這い出てくる我愛羅君が私の足元を指差しバスタオルならここだ。と教えてくれる。私、なんちゅう寝相の悪さ…。
あーん、と項垂れているところに昨日の夜私が着るはずだった浴衣をバサリとかけられ、とりあえずこれを着ろと言われた。
なんだか我愛羅君、急に面倒見が良くなってませんか。
どういう心境の変化があったのかは知らないが、昨日の夜叶わなかった事をもう一度言ってみようと思い、身体を起こしながらねえねえと我愛羅君を呼ぶ。
「朝風呂、一緒に入ろうよ。私身体冷えちゃってるし」
そう言った私に少し眉間を寄せながら視線を寄越す。
やっぱダメかあ、流石に心境の変化があったにしても急にお風呂一緒、って訳にはいかないかね。
なんて思いながら嘘だよ、と言おうとした私の耳に思いも寄らない一言が入ってきた。
「…今日だけだ」
え?!!うっそマジで???!!!!
いいの?!嬉しい!月を見ながら異世界の少年と露天で晩酌、の夢は叶わなかったが朝日を浴びながらの朝風呂もなかなか粋だよねえ?!
行こう!すぐ行こう!と裸のまま立ち上がったテンションブチ上げ状態の私から視線を逸らし、先に行けと言う我愛羅君。
「あわわ、ごめんごめん!じゃあ先に行くから!待ってるからね!来なかったら絶交ね!」
「…ああ」
…
結局その後ウキウキ気分で露天に浸かりながら待っていた私の元にめでたく我愛羅君は来てくれたが
湯船に入ってきたと思いきや私と我愛羅君の間に砂の壁が建てられ、姿を見る事は殆ど出来ず終わってしまった。
そんな事するなら最初からあんなに拒否しなくてもいーじゃん!ばか!