07
外へ出ると当たりは夕暮れ、結構長い事喋ってたんだなと思いながら火影の仕事が忙しそうなのにナルト君には申し訳無い事をしたと見送ってくれたナルト君に言うが、そんな事は気にしなくていいと笑顔で返してくれた。
外へ出る前、靴を履いていない私に我愛羅君は背を向け乗れと言ってきたが、なんとなく小っ恥ずかしくて断ると、シカマルの時は乗ってたじゃないかと小さく呟いていたのが聞こえたが、華麗にスルーするとナルト君がいつの間に用意していたのか、ボルト君が履いているような靴を貸してくれた。
「我愛羅、このまま砂へ帰るか?」
「…いや、今日は木の葉に泊まる。元々そのつもりで宿も取ってある。」
「お前はなんでいつもそういう事を勝手にすんだよ。風影が宿の予約なんかしなくていいじゃん、俺に言えっての!俺は帰るぞ」
「そういうと思ってお前の部屋は取っていない」
んだよ!よく理解してくれてんだか、嫌がらせなのか分かんねえじゃん!と文句を垂れ出したカンクロウ君はじゃあなと手を軽く振り上げ歩き出そうとするので、慌てて私も!と声をかけ追いかけようとすると横にいた我愛羅君に肩を掴まれた。
「名前、お前は俺と木の葉に泊まるんだ」
「え、だって元々宿取ってたって事はひとつしか部屋取ってないんじゃないの?今からもう一部屋用意してくれって頼むの?いっぱいだったらどうするの?」
「そんな事お前は気にしなくていい。他に部屋が無いなら同じ部屋に泊まればいいだろう。」
いや、そう言われればそうだけどさ、1人って聞いてたのに急に人数増えたら迷惑じゃん。お金だってかかるし。それならカンクロウ君と一緒に砂へ帰った方がいいんじゃないかって思うんだけど。
うーん、と唸り賛成しようとしない私を見兼ねてその場にいたナルト君が宿には俺からも言うから我愛羅に甘えておけばいいと言うので、そこまで言うなら、と渋々了承した。
「そういや、その…なんだ、着替えもねえんじゃねえの?」
「え?この服でいいよ、今日くらい」
「あー、いや…その…、下着…とかだってばよ」
ああ、そっちか!モジモジしながら言うから何だと思ったけど下着ね!
ナルト君はほんとに優しいなあ。
でも確かに下着は新しいのをしたいけど、今日くらいは我慢できるし…買いにいくっていってもどこに行けばいいのかは流石に分からない。し、お金だってない。今日は我慢して明日の夜洗って寝てる間に乾かしとくとかでいいかなあ、なんて思ってるんだけど。
「…シカマル、この後テマリに一緒に買い物へ行くように言ってくれ」
「あ、ああ、いいぜ。どうせこいつの事情もテマリに話す予定だったしな、一緒に来りゃ丁度いいんじゃねえか」
「あ、あのでも、お金無いんだけど私…。出してもらうのもなんだか悪いし」
「…お前は20年前、俺に色々与えてくれただろう。悪いと思うならそれの礼として考えればいい。必要な分、金を渡す」
いやまあ、そう言われるとそうかってなるけど…。
我愛羅君をチラッと見ればいつもの変わらない無表情でこちらを見ていて。
そんな表情で見られると断りたいものも断れない。これは素直に好意を受け取っておこうと、分かったと返事をする。
「あ、でも必要な分って言われても私の世界とこの世界とじゃお金の単位が違うんだけど…。物の相場も分からないし」
「なら俺も付いていく。店の外で待っている。」
「…」
まさかの付いてくる発言に我愛羅君以外の私を含めた3人が思わず黙ってしまうが、その提案が一番良いのは良いだろう。
買うものが決まったら店の外までお金取りに来いって事だよね。
「じ、じゃあ我愛羅君、それでお願いしてもいいかな」
横でナルト君がこっそり笑っているのをスルーしながら我愛羅君にお願いすると短く、ああ、と返してくる。
「んじゃ、そろそろ行くか?シカダイもそろそろ帰って来てるだろうし我愛羅も顔見せてやってくれ」
「俺はもうちっと仕事するってばよ」
よし行こう、と言ったシカマル君の合図でナルト君と別れる。
火影室に戻って行くナルト君に、色々気にかけてくれてありがとうと言うとこちらへ振り向き太陽のように輝く笑顔でこんなの当たり前だと言ってくれた。
うおお、なんかめちゃめちゃ男前だぞ。夕陽の光も手伝って一層に輝く笑顔はまるで神様仏様。
ぼ〜っとしながら既に背中を向けて火影邸に歩いていくナルト君を見たまま動かないでいるとシカマル君に肩を叩かれ、見惚れてんなよと茶々を入れられた。
「、見惚れてません!行きましょ!」
100パーセント見惚れてないと言い切れる訳ではないが私の中では神々しい物を見たと言う気持ちのみで決してカッコいいと思って見ていた訳ではない。なんかごめんナルト君。
でもナルト君にはヒナタちゃんがいるからね。
それでも茶々を入れられなんとなく小っ恥ずかしい気持ちになった私は我愛羅君とシカマル君を置いてスタスタと先へ歩くが、途端に我愛羅君に声をかけられる。
「方向が違う。あっちだ」
「……もう!じゃあ我愛羅君が先に行ってよー!」
「…ったく、めんどくせー」