08
それからシカマル君の家まで行き、迎えてくれたテマリちゃんに事情を話すと、最初は驚いた表情も見せたが、流石姐さん、快く私の買い物に付き合ってくれるという。
すぐ出かける準備するから待ってな。と言われ、玄関に腰を下ろさせてもらい待っていると、先程テマリちゃんと一緒に奥へ上がっていったシカマル君がシカダイ君を連れて玄関先まで戻ってきた。
「あ、我愛羅おじちゃん。来てたんだ」
「おいシカダイ、ちゃんと挨拶しろって。一応風影なんだからよ。あとこっちの姉ちゃんは、」
「名前です。こんにちは。シカダイ君だね。」
シカマル君に頭を押さえつけられお辞儀をさせられているシカダイ君に自己紹介。時間的にはもうすぐこんばんは、だけど。まあいっか。
よろしく、と手を出せば躊躇無く手を差し出し握手に応じてくれる。
うわあ、なんて可愛いんだ。シカマル君そっくりだし。目元はテマリちゃん似だな。母と父からの良いとこ取りみたいな顔でさぞかし将来が楽しみだ。うんうん。
「名前さん、ですか。我愛羅おじちゃんとは、恋人って事?ですか?」
「え?!ち、違うよ?!」
「あれ、でもさっき母ちゃんが、我愛羅が彼女連れてきた!って言ってたんだけど」
テ、テマリさ〜ん!!
いやまあシカダイ君には本当の事言えないけど?!恋人って!適当すぎでしょ!
いや嘘でも嬉しいけどね?!我愛羅君と恋人で、あんな事やこんな事…!きゃー!
相変わらずシカダイ君の手を握ったまま1人百面相をしていると、今度は我愛羅君の方に恋人じゃないのか?とシカダイ君が聞いている。
「ああ、そうだ。シカダイ、そろそろ姉さんを呼んで来てくれるか?」
「やっぱそうなのか!我愛羅おじちゃん良かったな!」
良かったなって…
子供に女の心配されてる我愛羅君とは。風影なんだからそういう浮いた話とか一つや二つあっても良さそうだけど。
我愛羅君って……女の人抱いた事あんのかな。
というかサラッと私とは恋人です発言してるけど嘘でもテンション上がるうううう
ああ、そうだ。だって!テンション上がるううう
「く、可愛い、なんて可愛いんだ」
「何を言っているんだ」
「え?!!えっ、と、我愛羅君は可愛いなって!思っただけだよ!」
ぐう、危ない。考え事に耽ると声に出てしまう癖があるんだった。
可愛いと言われて微妙に眉間にシワを寄せる我愛羅は見なかった事にして、これからは恋人っていう事にしていくのかを聞いてみる。
「風影なんだし、嘘だとしてもそんなに簡単に言っちゃっていいもんなの?恋人とか」
「その方が都合がいいだろう。何か心配でもあるか」
「いや、まあ上役の人達とか?めんどくさくないのかなあって。あ、テマリちゃん!」
そう聞いたところでテマリちゃんが待たせたなと言いながら玄関先までやってきた。
思わずテマリちゃんって言ってしまった事をすみませんと謝ると、私達の子供時代を良く知っているならそう呼んでしまうのも仕方が無いしそのままでいいと快く言ってくれて。
なんて物分かりが良くていい子なんだああああ、と感動していると、少し遅れてやって来たシカダイ君が早く行ってくればと言う。
「では行こうか。テマリ、よろしく頼む」
「ああ、女の買い物なら任せてくれ」
「テマリちゃん、お手数かけます」
そう頭を下げてシカマル君とシカダイ君に行ってきますと言いながら奇妙な面子で私の下着諸々を買いに出かけた。
……
「それにしても不思議だな、我愛羅は20年ぶり、名前は1年ぶりに再会、だったか?」
「そうですね、まさかこの時代に来るなんて…というかこの世界に来るなんて思ってもみなかったです。我愛羅君が私の世界に来たのも結構びっくりしましたけど」
「その節は我愛羅が世話になったな。今だから言えるがあの頃の我愛羅は大変だっただろ」
「あはは、まあ、大変っちゃ大変でしたかね…。でもとってもいい子でしたよ、最初は殺されかけましたけど」
少年我愛羅君のスレ具合は、まあ守鶴のせいもあるだろうけど、周りの大人達のせいもあるだろう。
ちゃんと向き合って普通に接していればいい子だって事を私は知ってる。
殺されかけたけど〜、の茶々を入れられた、私達の少し後ろを歩いている我愛羅君を振り返ると、あの時はすまなかったと謝ってきた。
「いいんだよ!1人で知らない人の家に突然来ちゃって不安だったよね。私はなんにも気にしてないから謝るの禁止ね!」
「…ああ」
相変わらず、落ち着いた喋り方だなあ。と思っていると、テマリちゃんが一つのショッピングビルのような建物を指差しながらココだ。と立ち止まったので、我愛羅君に待っておいて貰うように言いながらテマリちゃんと店へ入った。