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風影になる!と豪語した少年を見送ったあとでたどり着いた風影邸にて案内されたのは応接室の様な部屋。
こんな部屋あるんだ、と思いながら部屋の真ん中に置かれているソファに腰をおろし、少し待っていてくれと言う我愛羅君に軽く返事をした。
しばらく一人で待っているとガチャ、と部屋の扉が開き現れたのは我愛羅君とカンクロウ君。と、
「あ、」
「義父上、話とは…、」
ち、ちちうえええええ!
まさか突然の登場とは…!こ、心の準備が!いや多分もうこの子は我愛羅君の養子になってるんだろうなあって薄々思ってはいたけど!
いやでも突然すぎるよおおおお
「名前?」
「…はっ!ええと、カ、カンクロウ君昨日ぶりだね!」
「お、おお。昨日ぶりじゃん」
突然すぎる登場に頭がついて行かず押し黙っていると我愛羅君に呼ばれたのでとりあえずカンクロウ君に挨拶。
今更だけどカンクロウ君とか気安く呼んでいいものなんだろうかとか思ったが特に注意されることも無いのでそのままししておこう。
それにしても…
養子なのに我愛羅君みたいな無表情なんだね君は!そっくりなんだね!養子なのに!
この子の未来は知らないけど義父上の事が大好きな子っていうイメージだけど合ってるかな?!
「シンキ、この人は俺の恩人で、名字名前という。今日からしばらく此処で生活を共にする。名前、こいつはシンキ、俺の息子だ」
「…え、いや、あの、シ、シンキ君ですか、というより生活を共にするとは…」
一緒に暮らすって事ですか
いや、良いよ?全然良いよ?元々一緒に住んだ事あるもんね?我愛羅君とはね?
シンキ君がいても全然良いよ?私はね?世話になる訳だし良いんだけどね?
でもね、さっきからシンキ君がすごーく鋭い視線を寄越してきてるんだけどね?!
我愛羅君でもカンクロウ君でもどっちでも良いから助けてくれない?!
「…義父上、本気で言っているのですか、どこの誰なんです、こいつは」
「そ、そうだよね?!ほらシンキ君明らかに嫌がってるよ!私納屋的な場所でも良いんですけど!」
「…シンキ、この人にそんな口の利き方をするな。名前も遠慮はするなと昨日言ったはずだ」
我愛羅君に少し強めに言われて押し黙るシンキ君は相変わらず私の方を見ていて。
視線が痛すぎるんだけど、少年我愛羅君より心を開いてもらうにはなんだか大変そうだ。
く、でも顔が整いすぎなんだが…私やっぱり少年が好きなのかもしれない…
ショタ、コン…
い、いや!違う違う!私は大人の男性が好きだよおおお
「まあ、我愛羅が言うんだからよ、聞いてやってくれよシンキ。なんかされたら我愛羅に言えば良いじゃん」
「な、なんかってなんだコノヤロー!私が子供好きな変態みたいじゃんかよ!」
カンクロウ君がシンキ君を宥めてくれたが、聞き分けならない発言が聞こえてきて思わず反論する。
それに対して、我愛羅を可愛いとか言ってる時点でオメーはちょっとおかしいんだよ!とただの悪口にしか聞こえない事を言ってくるので可愛いもんは可愛いんだから仕方無いでしょー!と、このままだと永遠続きそうな口論をしているとついに我愛羅君が制止に入ってきた。
「やめないか」
「ぅ、ごめん…でも私は変態とかでは決して…」
「分かっている、カンクロウもあまり名前を煽るな」
「…あーもう、悪かったよ。」
これで二回目になる我愛羅君からの注意を受け止め、横でやりとりを黙って見ていたシンキ君に改めて向きなおる。
「あの、シンキ君、邪魔にはならない様にするから、今日から…あの、よろしくお願いします」
「…義父上が言うのでは仕方ない。……俺は部屋に戻ります」
握手をしようと手を出したが空を切り、部屋を出て行くシンキ君を呆然と見送る。
我愛羅君がすまないなと横で言っているが、まあ君の少年時代よりはまだ可愛いもんだよとチャチャを入れるとそれに対してもすまないとまた謝罪を口にした。
「ま!子供が二人になったと思うよ!」
「…?」
改めてよろしくね!と我愛羅君とカンクロウ君に笑顔を向けてみるが、内心はやっぱりちょっと不安だ。
殺されこそしないだろうけど、シンキ君の事はほとんど知らないし。
ああ、でも可愛いかったな。