19
私が地雷を踏んでしまって、我愛羅君は私が何者なのか説明する羽目になってしまった。
私は初めからシンキ君には言っておいた方がいいかな、なんて思ってたから自分の正体を明かされる事にはなんら躊躇いはないんだけど。
この世界〜、とか言っただけで違和感を感じちゃうなんて流石忍者とでもいうべきか。
私なら何も気にならないかもしれないのに。
…口滑らしといてこんな事言うのもなんだけど。
シンキ君は驚きつつも、我愛羅君が私の事を敵視していないどころか、恩人とまで言うものだから一応は私の事を信用してくれた様だった。
「ごめんね、そういう理由があってさ、私住むところないんだよね。だからよろしくお願いします」
「…」
「シンキ、俺の勝手でお前に迷惑をかける。すまない。だが名前はこの世界では異端の存在ではあるが一般人だ。何も心配することはない。」
「…はい」
少し重い空気になってしまったと思っていると、それに気づいたカンクロウ君が仕切りなおすじゃん!酒でも飲むか!と店員を呼んだ。
カンクロウ君ナイス。
「はい!私ビール飲みたいです!」
「…名前、あまり飲み過ぎるなよ。カンクロウもだ」
あいも変わらず保護者みたいな事を無表情で言う我愛羅君に、そんなの分かってるし〜と反撃。
私はまだまだ若いがお酒の飲み方くらい分かっているつもりだ。
酒は飲んでも飲まれるな!ってよく部長に言われてたなあ。
「我愛羅君も飲むでしょ、」
「…俺は遠慮しておく。シンキもいる事だ、名前とカンクロウだけ飲んでくれ」
おっとそうだった。
酒でも飲もうぜ!と言うカンクロウ君の言葉にテンション上がりすぎてシンキ君の存在を忘れ……てはいないけど
流石に未成年の前では、と思いながらシンキ君に目配せすると、義父上がああ言ってるんだ、俺のことは気にしなくていい。と言ってくれた。
「…シンキ君、……君はなんでそんなに可愛いのかね」
「なんだ」
「あ、いやいやいや、なんでもないよ!ふふふふ」
そんな素っ気ない態度も可愛いなんて思いながら微笑み、食べな食べな!と、止まっていた食事を再開させるようにお肉を焼いてシンキ君のお皿に乗せる。
そうこうしているうちに運ばれてきたビールをいただきますと声を上げながら一気に飲み干しいい気分に浸っているとカンクロウ君がそれを見てすぐに次を頼んでくれた。
なんてデキる奴なんだ。
……
「…おい、ちゃんと歩けよ、置いてくじゃん」
「カンクロウ君!女子にそんな事言っちゃだめじゃん!カンクロウ君が次から次から頼むから飲んじゃったんじゃん!」
「じゃんじゃんうるせーじゃん!」
あれからお酒が入って気分がよくなった私は目の前に出されたお酒を煽るように飲み続け、見事に酔っ払った。
泥酔、までとはいかないし、意識はしっかり落ち着いているが、今最高に気分が良い。
この世界にお酒と言う概念があって本当に良かった〜
カンクロウ君と我愛羅君と並んで歩くも、私たちの少し後ろを歩いているシンキ君のことが気になり深呼吸して自分を落ち着かせながら振り返りシンキ君へと声をかけた。
「シンキ君ちゃんと付いてきてる〜?」
「…俺に構うな。前を見て歩け」
本当に表情が読めないのは我愛羅君と一緒だなあ、なんて思いながら前を見て歩けと言うシンキ君に軽く返事をし、カンクロウ君にチャチャを入れられながら風影邸に戻った。