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「あー暇」


我愛羅君告白事件から数日、結局私は我愛羅君の私室で夜は寝る事になった。
別に、近ければ他の部屋で良かったんだけど、我愛羅君は早朝から深夜まで、ほとんど自分の部屋には帰ってこないらしく、ベッドも使っていいんだって。
多分我愛羅君はソファで仮眠を取るとかしてんだろうなあ。なんか申し訳ないけど。
だから今のところ、夜は我愛羅君の部屋で寝ていて、昼間はリビング的な、キッチンがある部屋でほとんど過ごしている。

風影邸は職場兼自宅みたいな、大きすぎる一軒家のようで。リビングだったり洗面所だったり、私室も全部が一度廊下に出て行かないといけない。しかもほとんどの場所が土足。アメリカかよここは。
長い事、1Kのそんなに広く無い部屋で一人暮らし生活をしてた私には慣れるのに時間がかかりそうだ。

あれから我愛羅君も普通だし、って言っても風影は忙しいらしく殆ど顔を合わせてないけど。それに相変わらずの無表情だけど、まあ普通だ。
朝起きて、朝食を作って我愛羅君、シンキ君、カンクロウ君と食べて、お昼には我愛羅君と食事して、それからゴロゴロ過ごして夜シンキ君が任務から帰って来たタイミングで夕食。我愛羅君はいたりいなかったり。

まだ数日しか経って無いけど、このループはどうにかならないか。
ご飯の時間以外、正直する事が無い。洗濯と掃除はそんなに時間もかからないし。
元々仕事を軸に生活してた私には暇すぎる。


「あ〜〜〜〜〜〜ひ〜〜ま〜〜」


最初こそいろんな部屋を行ったり来たり、ウロウロしてみたけどそれももう一日で飽きた。
洗濯もしたしい、掃除は昨日したから綺麗だしい、暇潰すってもこの部屋にはテレビもなければ漫画もない。自分の家ならナルトでも読み返すのに、それもできないし、携帯だって、…


「携帯!」


そういえば我愛羅君は私のサブ携帯を充電が切れる事なく持ってた。
てことは私の携帯も充電できるって事だよね?
うっわそれ激アツじゃね。謎に電波はあったみたいだけどどうせネットは繋がらないだろう。でも写真とか見れるし!ちょっとした暇つぶしにはなるな。
なんなら誰か科学者みたいな人にこの世界で使えるように頼みたい。電話はあるみたいだし。

そうと決まれば!と、充電が切れて使えなくなっていた為、クローゼットにしまい込んだ携帯を取りに行くべくリビングを出て我愛羅君の部屋へ向かいクローゼットを漁る。


「ん〜、あ、あったあった〜」


電源の入らないスマホを見つけポケットにしまう。

あとは我愛羅君に充電の事を聞きに行って、と、すぐさま我愛羅君がいるであろう執務室に向かった。







……


「失礼しまー、…!あれ!テマリちゃん!」

「お!名前じゃないか!何日かぶりだな」


執務室の扉を開け中へ入ると意外な人物がいてテンションが上がった。

我愛羅君に会いに来たはずなのにテマリちゃんがいた事でキャー!と女子特有の黄色い声をあげながらテマリちゃんに駆け寄った。


「えー!なんで砂に来てるんですかー!」

「今度五里合同で中忍試験があるから、我愛羅の息子でも探ってやろうと思ってな」

「中忍…、ああ!シンキ君も出るんでしたっけ」


お前の息子はどんな術を使うんだ?とあからさまに情報を探ろうと、ニシシッと笑いながら我愛羅君に詰め寄るテマリちゃん。可愛いすぎでしょアネゴ。

それにしてももう中忍試験かあ、私も見に行きたいなあ。


「…それはそうと名前、何か用か」

「あ、そうだった。…我愛羅君が持ってた私の携帯って、充電してるよね?」


テマリちゃんの質問攻めを華麗に無視し、我愛羅君は何か用事があってここへ来たんだろうと私に言って来たので、そもそもの用件を話す。

携帯の事を言うと、コレのことかと私のサブ携帯を取り出して見せて来た。
そこには充電器がくっついていて、今、ナウで充電されているようだった。


「…これか」

「あー!それそれェ!その充電器貸してよ!」


サブ携帯からぶら下がっているコードを見て、テンションがブチ上がった私は我愛羅君から充電器を奪うとすぐさま自分の携帯に刺して見ると充電され始めた。
やったー!これで携帯使えるー!嬉しいー!と叫びながら電源が入るまで復活するのを今か今かと待っていると、もう一つ、我愛羅君に聞きたい事があったのを思い出した。


「我愛羅君、この充電器って、どうしたの?」

「ああ、それは木の葉のカタスケとやらに作ってもらったものだ。科学者らしくてな」

「!!」


あああカタスケ!あの科学忍具作ってるあのおじさんか!
あのメガネのおじさんの事か!

確かにあの人なら、スマホを見せたらそれにあった充電器くらいチャチャッと作れそうだと、我愛羅君に言うと、カタスケの事も知っているんだなと返されたので、うん知ってると適当に返答。

…ああ、私用にももう一つ充電器作ってくれないかな、それとついでに電話とかメールとかちゃんと使えるか見てもらって、…まあ電波あるみたいだし使える気はするけど、でも一応見てもらいたいな。
あ、ついでにゲームできるように改造とかしてくれないかな。

むふふ、とニヤける顔を抑えもせずに一人色々考えながら、我愛羅君に木の葉に行きたいとお願いしてみようと口を開いた。


「我愛羅君!私は木の葉に、…」

「ダメだ」



うええええええ!
なんでええええええええ!
食い気味に断られたぁぁあああ!