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……
「ふえ〜〜〜い」
あれから私は無心で夕食の準備に取り掛かり、みんなで早めの晩御飯を食べて、する事も無くなったのでとりあえずお風呂。
ああ、気持ちい。風呂とはなんて素晴らしい。
私の家のお風呂より広いし、湯船の中で足を伸ばせるなんてなんとも贅沢だ。
さっき少しだけ暗くなっていた気持ちも洗われた気分で、いつもりより長めのお風呂を堪能。
「そろそろ上がるかあ」
あんまり長湯していると逆上せてしまうと、既に充分暖まっている身体を持ち上げ、軽くシャワーを浴びてから浴室をでる。
元々我愛羅君用に買った部屋着は今洗濯中なので、代わりにと貸してもらった我愛羅君の昔着ていたと言う黒い服に着替えた。
この服、我愛羅君が暁に襲われて生き返って里に帰って来た時に着てたやつじゃないか。
何年取ってあるんだよ。あ、何着もあるのかな。
「しかし楽チンだなこの服」
サイズも大きすぎず問題ないし。
なんだか砂隠れの里の病人が着ているイメージが拭えないこの服だけど、これからはこれを部屋着としようと勝手に自身で決定してから長くない髪の毛を乾かして脱衣所を出る。
部屋まで戻って、後はシンキ君たちを駅まで見送りにいくだけだななんて思いながら冷蔵庫からお茶を取り出し飲んでいると我愛羅君が入って来た。
「あ、我愛羅君。シンキ君たちが乗る雷車って何時?」
「…先程見送って来た」
「…」
え、な、なんだってえええええ!!
いやいや私言ったよね!見送りには私も行くって!言ったよね?!
飲んでいたお茶を思わず落としそうになって、手元に力が入る。
まあね?別に良いけどさ、良いんだけどさ!どうせ私も行くんだし!でもちょっと、一言いってくれても良かったじゃんかああ。
「声かけてよお…。お風呂からでもいってらっしゃいって言いたかったじゃん」
「すぐに上がってくるかと思っていたがなかなか上がって来ないんでな。それに、無暗に脱衣所へ入って行くのもどうかと思ったんだ」
「…めっちゃ今更な気するんだけどソレ」
私の裸見た事あるでしょうよ大昔だけど。と我愛羅君に少しの愚痴をこぼしてみるが、でもシンキ君は確かに何も言わずに行っちゃいそうだなと考えて、我愛羅君にどうこう言うのをやめた。
「ツンが過ぎるけどそういうところもまた可愛いんだよねシンキ君は」
「…」
もう既に違う事を考え妄想を膨らませている私は、唐突にビールでも飲みたいなと思い、手に持っていたお茶を飲み干してから再び冷蔵庫を開けなんだかひさしぶりのビールとご対面する。
このビールを、誰が買って来て、誰が冷蔵庫に入れたのかなんて知らない。
まあ多分カンクロウ君辺りだろうけど関係ないよね。などと思いながら、キンキンに冷えてやがる!状態のビールを風呂で暖まった身体に流し込む。
身体の内側からひんやりと気持ちよくなって、そのあとすぐに胸の辺りからじわじわ熱くなって行く。
この感覚が好きで、だからお酒はやめられない。
いや、中毒ってわけじゃないからね?
「…っあ〜、美味すぎる。悪魔的だよ」
「…名前、あまり飲みすぎるな」
うまいうまいと飲みながら、もう一本冷蔵庫から取り出して椅子に着席すると我愛羅君に注意を受けたので、軽くかわす。
我愛羅君も飲めば良いじゃん晩酌。と言うと、これから公務に戻ると断られた。
「風影様は忙しいね、公務が終わったら私たちも行く感じだよね?」
「ああ、終わり次第木の葉に向かう。それまで寝ておいてくれて構わない」
では、とそのまま部屋を出て行く我愛羅君に、頑張ってとだけ声をかけながらもう一本のビールに手を伸ばすが、これを飲んで歯止めが効かなくなって、飲みすぎて酔っ払って、雷車に乗るのは勘弁だなと、さながらどこかのネガティブでオモイ事を考えすぎる人のような事を思い、今日は一本だけでストップとしようと決めた。
缶ビール一本なんて、あっという間に飲みほしてしまい、いよいよする事がなくなってしまったのでとりあえずベッドでゴロゴロでもしておくかなと、我愛羅君の部屋へ向かおうと腰を上げる。
我愛羅君の部屋っても最近はもう殆ど私が我が物顔で使っている部屋で、最初こそ我愛羅君のベッドで寝るなんて緊張するとか思っていたけど今ではそんなの微塵も感じない。
あれはもう私の部屋で、私のベッドだ。ということに勝手にしているのはみんなには内緒だ。
うっすらとアルコールが頭の中を回って来たところでベッドへダイブ。
さっきまで全然眠くなんてなかったのに、横になった瞬間猛烈な眠気が襲って来て瞼をこすってみるが抗えそうにない。
「…今寝るより雷車で寝たいのにい、」
今寝てしまったら、雷車での長旅でずっと起きたままになってしまう。
できれば気づいたら寝ちゃってて、起きたら木の葉の里だイエーイってな感じを希望してるんだけど。
ああでも、もう瞼が閉じそうだ。
「ネム、」