07

特に問題も無く、無事晩御飯を買い家に戻ってきた。
我愛羅君、意外に大人しくて良い子だから助かる。

家に上がる際、靴を履いたまま入ろうとしたのでそこは注意した。君の世界では靴履いたままみたいだけど、日本では靴は脱ぐのだと、ひとこと言ってやれば素直に脱いでくれる。
この素直さに便乗して今度私の頬っぺたにチュウしてもらおう。
……無理か。


「私ラーメン作るから、部屋に入って座っててね。」

帽子も脱いでいいからね、と言いながら袋からカップラーメンを取りだし、作るべくヤカンでお湯を沸かす。うちには電子ケトルなんてものは無い。

お湯を沸かしている間に最初帰ってきた際キッチン代に置いた飲みかけのビールを再び手に取りぬるくなってる、と思いながらゴクゴクと一気に飲んだが
やっぱり冷えたの飲みたいと冷蔵庫を開けようとした時物凄い視線に気づいた。



「……なに?」


部屋入って座っててねって言わなかったっけ私。一ミリも動いてないんだけどこの子。そして凄く見てるんだけどこっちを。
ああなるほど監視ね。そうなのね。何もしないのに。

そんなに気になるなら手伝ってでももらおうかなと冷蔵庫を開けた際に我愛羅君用と称したお茶を取り出したので頭上にある棚からグラスを一つ取ってくれと特に我愛羅君の方は見ずに、期待もせずに言ってみる。




「…」


取ってくれると期待はしていないので沸いた湯をカップラーメンに注ぎながら自分が使う箸を探していると、コトンと音を立ててグラスが一つラーメンの横に置かれた。
グラスを掴んでいたのは砂だった。

いやいや砂でって。取ってくれたのは嬉しいけど砂でって。まあいいけどさ。
ありがとうと言い砂によって運ばれてきたグラスにお茶をそそぎ、今度はこれを部屋のテーブルまで持って行ってねと言うとお茶の注がれたグラスはまた砂によってフワフワと部屋まで運ばれた。

別にいいんだ、会ったばっかりだもん。別にいいんだけど
もうすこし、開いてくれるかは分からないけど心を開いてくれたら是非砂を使わずにお手伝いをしてもらうように言おう。絶対。


「よし、じゃあ私ご飯食べながら聞くから、外に行って我愛羅君が思った事聞かせてもらえるかな?」


後ろで砂だけ操り立ったまま私を見ていた我愛羅君にカップラーメンとビールを持ちながら向き直り部屋に入る。
私が移動した事で我愛羅君も自ずと付いてくる。無言だけど。

先程私が指示をした為にお茶の入ったグラスがぽつんと置かれているローテーブルに今夜の晩御飯を置き、いつものように座椅子に座ると我愛羅君も向かいに座った。