身体にキた
「うー、」
なんだか身体が怠い。
咳もでて喉も痛いし、頭も痛い。おまけに目眩までしてきた。
風影様に会えなくて、渋々自宅へ戻ってきてから一晩明けた今日、私は数日ぶりに店を開けた。
何日か休んでいる間、いつも店に食事をしに来てくれていた人達はとても心配してくれて、こじんまりと営業している店なのに、こんなに心配してくれる人が沢山いる事に驚きつつも嬉しかった。
何かあったら遠慮せずに相談してね、とか、そんな風な言葉を一日中貰って、今まで一人で生きてきたつもりだった私は初めて一人じゃないと感じた。
なんだかとっても満たされた気分になったんだけど、この数日間の疲労が、今になってやってきたんだろう、私の身体は見事に風邪の症状を訴えている。
「あー、第三試験明日なのに…」
一般人に公開していて、私が火影様に観に行くと約束した第三試験は明日。
本当は夜の営業を少し早めに終わらせて、雷車へ乗り込む予定だった。だけど私は結局、夜の営業も出来ずに、寝込んでしまっている。
対個人のトーナメント制らしい第三試験は、準決勝まで決着がつくと、決勝は翌日に開催するらしい。
この目眩がする体調の中、準決勝までは見れないなと踏んだ私はひとまず今日は家で大人しくしてる事に決めた。
「あー、最悪だ」
それでも明後日に開催されるであろう決勝は必ず観に行きたい。
火影様にも観に行くって言った訳だし。
まあ行った所で、火影様に「観に来たよー」なんて軽く声をかけるような関係でも無いんだろうけど、何も言わず無断で約束を破るような事はしたくなかった。
連絡も取れない訳だから。
とにかく薬でも飲んで寝とくか、と最近はもっぱら放置していた常備薬に手を伸ばす。
賞味期限とかあるのかな、なんて思いつつも、新しい薬を買いに行く元気もないので、いつ買ったかも忘れたような薬を飲んでから、布団へと潜った。
明日には良くなってくれ。
……
「…、ん」
ムズムズと、なんだか身体が気持ち悪くて目が覚めた。
この嫌悪感は一体なんだと布団から這い出てみると、自分の身体がぐっしょり濡れている事に気がついて、そういえば寝る前に水分を嫌という程取ったんだっけと眠る前の自分を思い出す。
「あれ、…良くなった、?」
全身を纏っている、汗で濡れた衣服のせいで一瞬忘れていたけど、よく考えれば私、風邪ひいてたんだっけなんて、割とスッキリした頭で考えながら窓の外を見やると、そこはもう随分と明るくて。
「あ!今何時?!」
慌てて時計を見てみると、お昼はゆうに過ぎている。
寝すぎた。完全に寝過ごした。
私の予定としては今日、今の時間にはとっくに砂を出ていて、悠々と宿を探して木の葉で一泊してから決勝を観に行く予定だったのに。
今から急いで準備して、雷車に飛び乗ったとしても、木の葉に到着するのは夜中…かな。
「ん〜〜、……いや、行くか」
どっちにしろ行かないという選択肢は無い。
宿じゃなくても、このご時世ネットカフェなるもが木の葉にはあるらしい。砂にもあるのかは知らないけど。
そこなら簡易的に宿泊できるし。
仕方ない、そのコースで行くかと決めて、そうと決まればすぐ準備だ!と、とりあえずお風呂へ向かった。