合同任務ってマジですか
話をすればするほど彼の高田ちゃんへの愛の深さが分かり、絶対に勝てない戦にどうしたら早く忘れられるのだろうかと思案する日々を送っている。
「おーい、聞いてる?」
「全く聞いてませんでした」
私の言葉に五条先生がヘラヘラと笑って「もしかして恋煩い〜?」なんて聞いてくる。いつもならスルー出来るのに、何故か固まってしまった。そんな私に「え、本当だったの? 相手は?」と女子高生のように聞いてくる担任が面白くて思わず笑ってしまった。
「秘密です」
「えー、つまんない。まあ、いいか。はいコレが次の任務の詳細ね」
そう言って手渡された資料を読むとどうやら京都校の人と合同になるらしい。
「何でまたこんな任務──え、」
資料に目を通しながら五条先生に文句を言っていた時、京都校からは東堂くんが出る事になっているのを見つけた。
「最近仲良いんでしょ? なんか両校の交流を計るとかなんとからしいよ」
「へぇ」
それはいいが私では役不足ではないだろうか。東堂くんは1級、私は2級だ。流石に力の差がありすぎる気がする。
そんな私の気持ちを代弁するかの様に五条先生がニコニコ笑って私の頭をぽんぽんと優しく叩く。
「大丈夫大丈夫、やれば出来る子だから」
「それ褒めてます? 何かちょっと不安なんですけど」
「褒めてる褒めてる。ま、葵に合いそうな人なかなかいないし、葵からのご指名だから頑張って」
最後に爆弾を落として五条先生は消えた。
つまり、どういうことだ……?
「へい、花子!」
思考停止してしまったところに聞こえるはずのない声が聞こえる。
「ついに幻聴が……今日は休むか」
「幻聴? どうした? 何かあったのか?」
「何もないというか、東堂くんのこと考え過ぎたから幻聴がするって話で……え、?」
投げかけられた質問に答えながら声の主を確認すれば、そこにいたのは先程から考えていた東堂葵本人で。空いた口を塞ごうとしながらも言い訳をしようかと考えた結果、情けなく口をパクパクさせるだけになってしまいやるせなさからその場に座り込んだ。そんな私の目線に合わせる様に座ってくれた東堂くんの手が私の額に伸びる。少し暖かいがひんやりとした感覚に思わず目を瞑ると「熱はないな」という言葉が聞こえてきた。どうやら体調が悪いと思われたらしい。
「問題なければこのまま任務地へ向かおうと思ったが、今日は休むか?」
「あー、いや、大丈夫です。ちょっと頭が混乱していただけなので」
私の言葉に東堂くんは「そうか」と短く言って私を抱き上げた。──そこで私の思考はまた停止したのであった。