かわいいの魔法をかけて
スムーズにエスコートされ席まで案内され、女慣れし過ぎではないかと思った。高田ちゃんが本命でも、これだけ優しいし顔が怖いかもしれないが好きな人は好きな顔だろう。そう考えると高田ちゃんと結婚したいのは本気だとしても、アイドルが結婚出来るようになるまでお付き合いしている人がいてもおかしくない。
「お任せでいいか?」
「はい。……こんな素敵な所、初めてでよく分からないし」
私の言葉にはっはっはと楽しそうに笑う東堂くんは背後にある夜景と相まって今までで一番素敵に見えた。
◆
あの日、ディナーをしてから東堂くんとの距離が一気に縮まった気がする。
というのも、高田ちゃんの現場や任務で会った時に少しでも変わった所を褒めてくれる様になったしライブに着る服を一緒に買いに行くこともあった。
これは期待しても良いのだろうか、なんて邪な考えが何度も頭を過ったが東堂くんの私を見る目は変わらないままなので気の所為だと毎回結論付けてきた。
期待して期待通りの展開にならずに落ち込むなんて悲しすぎるし、それで一方的に嫌な事を言ってしまったら自分のことが嫌いきなりそうだから。
でも、だけど、
「今度遊園地に行こう」は期待しても良いんじゃないだろうか。将来高田ちゃんと一緒に行くための下見だとしても、今この時は私を見てくれていると自惚れてもいいかな。
勿論と返事をして予定を確認する。
野薔薇ちゃんにデートの為の勝負服をと相談し、相手が東堂くんだと言ったら聞こえていたらしい虎杖くんや伏黒くんたち含めて心配されたけど良い人だし今までも何度も会っていると話すと驚かれた後にそれなら……と一緒に考えてくれた。
持つべきものは素敵なクラスメイトだと思う。
野薔薇ちゃんVS男子陣になってしまったが無事にデート服や靴は決まり、それに合わせた髪型を考えていると「恋する乙女って感じね」と野薔薇ちゃんから言われた。
「……変じゃないかな」
「それで変なんて言われたら髪の毛持って帰ってきなさい。祓うから」
なんて真顔で言った後に「可愛いわよ。私の次に」と言われたので抱きついたら「暑いわ」と言われたが抵抗されなかったので暫くそのまま野薔薇ちゃんの女の子らしい少し甘い匂いを堪能した。
「振られたら慰めてね」
「そうなったら一緒にもっといい男を捕まえるわよ」
野薔薇ちゃんの言葉にそんな人いるかなぁと思わず呟くと何とも形容し難い目で見られた。