以前、ひなが言っていた言葉を思い出す。自分自身をやめるなんて誰にも出来ないことであるにもかかわらず、何者でもなくなりたいなどと言い出すくらいに、ひなは疲弊していた。
死んでしまいたい。消えてしまいたい。
望んでいないのにそれを言葉にするひなを、何とか解放してやりたかった。下心など初めは無かった。ただ、純粋に彼女を助けてやりたかった。
とはいえ、ひなは決して弱くはない。その証拠に、彼女はなんとかやってきている。あの頃に比べれば、随分と成長したように思える。
本当は、あの子は俺が居なくたって一人で立っていられるんだ。それでもまだ、ひなは俺の手を取ってくれる。ただまあ、これだけ長く居すぎると、いつか来たる終わりに恐怖を覚えてしまう。初めて出会った頃なら、こんな気持ちにはならなかっただろうなあ。
いつまできみとこうしていられるのだろうか。ああ、ずっときみの夢を見ていたい。