自分は自分だ

 夢を見た。自分が自分じゃない誰かに成り代わられて、他者を傷付ける夢。誰も傷付けたくないのに、私の手で誰かが傷ついていく。怖くて怖くて仕方無くて、私は、鶴がいつもやってくれてたみたいなことをそいつにした。鶴が私にしてくれるより、遥かに酷いことだ。そうしてでも、私はそいつに主導権を奪わせたくなかった。
 そこでふと気付く。鶴になら、私をあげられる。鶴になら、私が成り代わられても構わない。どうしてだろう。簡単なことだった。
 私は鶴を信じている。愛しているんだ。
 なんだ。自分の気持ちに不安なんて抱く必要はなかったんだ。

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