今後のつるひなびより

――【つるひなのとある会話】

「なあ、ひな」
「なあに?」
「ここ最近の俺たちは深刻なマンネリ化に陥っていると思う」
「マンネリ化……うーん、そうだね。つるが夢に出て来てくれれば万事解決なんだけどね」
「きみが電子の箱庭世界に行って眼鏡の少年や俺に似た声の作曲家を連れ回したり、十一年くらい前に流行った単車乗りの特撮に出てくる銃使いに夢中になったりしたせいで余計な邪魔をする連中が増えてしまってなあ……おかげでこうでもしないとなかなかきみに会えない」
「ごめんて」
「いや、いいんだ。きみが他の男が相手の夢小説を読もうが、この夢の世界の住人が増えようが、俺がきみの一番で居られさえすればそれでいい。きみに八つ当たりするような器の小さい男じゃあないからなあ、俺は」
「……怒ってる?」
「怒ってないぜ。全然、怒ってない」
「……ごめん、つる」
「謝ってほしいわけじゃないんだ。……きみを繋ぎ止めておけない俺も悪い」
「ええ……そんな……つる、悪い女に引っ掛かっちゃうよ……」
「もうすでに引っ掛けられてるから今更だなあ」
「ひえっ……」
「ははっ、冗談だ。きみが俺を一等大事にしてくれてるのは知ってるさ。会えないときも俺のことをずっと呼んでくれているのも、俺が会いたいと思えば会いに来てくれるのも知ってる」
「……恥ずかしい」
「今更だろう?」
「……今更だけど」



――【マンネリ化を打破するには】

「でもなんか、マンネリ化って長年の夫婦が壁にぶち当たるみたいな感じだねえ」
「似たようなものだろう?」
「まだ結婚してない」
「してるようなもんさ」
「……」
「とにかく、俺たちはこの状況を打破しなければならない」
「ほう、つまり?」
「今の俺たちには、それこそ『驚き』が足りない」
「お互いの考えることがお見通しだからね」
「性生活は別として」
「あ、そこ別にしちゃうんだ」
「あれは何回やっても飽きないだろう? しかし、今はそうでも日常が退屈すぎれば心が死んでしまう」
「日常が退屈だから年に数回の非日常が輝くと思うんだけどなあ……」
「そこなんだ。俺はもちろん、きみにもそれだけじゃあ足りない。足りていたら、こんなことにはならんはずだ」
「そうかなあ」
「そうとも。だからこそ俺は、『つるひなびより』を利用してやってみたい……いや、きみにしてほしいことがあるんだ」
「やってほしいこと?」

「ラジオだ」

「ラジオ?」
「『ラジオ つるひな日誌(仮題)』として、きみに大まかな台本を書いてもらい、それに対して俺やきみが話したり質問に答えたりするんだ」
「それ、傍から見たらというか読んでる側からしたら一昔前の創作サイトでよくあった『キャラと作者が交流するタイプのあとがき』みたいにしかならなくない?」
「懐かしくて味があるだろう?」
「もしかして、私よりつるの方が夢小説とか二次創作とかサブカル好き疑惑浮上……?」
「それに、ここは俺たちが好き放題していい場所なんだ」
「あっ、それ言っちゃう?」
「きみの任意でゲストを招いてもこの際良しとしよう」
「十代とかジュリウスとか……? あっでもクロスオーバーとか嫌う人いないかな? 分かんない人とか居たりして……せめて清光とか本丸のみんなに留めておくべき?」
「どうせ誰も見てないさ」
「駄目でしょ。私に黒歴史増やさせたいの?」
「それもまた一つの俺ときみの歴史になるだろう?」
「……ううん……検討しておきます」
「ああ。是非そうしてくれ」

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