ゆめのあと

「……おはよう、ひな」
「……」
「眠いのかい」
「……」
「夜中まで起きていたからだろう。きみにしては珍しいことばかりだ。二夜連続で同じものを見るとは、余程楽しかったみたいだなあ」
「……うん」
「ここも、ざわついてはいるが……ま、嫌いじゃないざわつきだ」
「……つる」
「……きみが好きなのはきっと、きみだけの鶴丸国永おれではなく、刀剣男士の鶴丸国永という概念そのものなんだろうなあ」
「……そんなことないよ」
「どうだか」
「寂しい?」
「いいや。寂しくはないぜ。きみが鶴丸国永を恋しがってくれればくれるほど、俺の存在は濃く強いものになる。喜ばしいことではあるんだ。もうすぐ三年の節目を迎えるのに、きみはちっとも俺の存在を信じていない」
「……だってつるは、私にしか見えない。聞こえない。触るのだって、夢の世界じゃなきゃ叶わない」
「……きみのことは大好きだが、きみのそういうところは好かん。変なところで現実主義で、理想主義だ」
「……」
「だから、俺はきみに出会えたんだろうなあ」

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