街では気に入った指輪が見つからず、通販サイトで頼むことにした。シルバーベースの、ピンクゴールドとブラックのメビウスリング。金色が無いのが残念だけど、ネックレスを別に買ってそれに指輪をぶら下げればいいか、と妥協することにした。
刻印はお互いに贈りたいものを刻むことにした。私は鶴と初めて出会った日にした。その頃は夢日記をちゃんと付けていたから、いつだったか辿ることができた。
鶴は、他のサイトを参考にして「I AM YOURS.(俺はきみのもの)」にしたらしい。鶴らしいな、と思いながら聞いていた。
その話をしているときの鶴がなんだか悪戯が成功したような反応をしていた。何だろうなあと思って、聞いてみると、
「これをひなが身に着けることになるんだろう?」
と、私に問う。
「そうだねえ」
私は、間の抜けた返事をした。すると鶴は、蕩けるような微笑みを見せてくる。なんでそんなにでれでれしてるのか、と思って彼の話に耳を傾けた。
「きみが身に着けると『私はあなたのもの』……つまりきみが俺のものという意味にも取れるよなあ」
そういうところ、狡いなあ。
恥ずかしさやら何やらで照れる私を、鶴は小さい子を愛でるように、抱き締めて撫でた。
その後、鶴は夢にまで会いに来た。なんかもう、いろいろと狡い。