買い物を終えて帰ってきた私の手荷物を見て、鶴は言う。
お出かけ中は家族がいたため、鶴は夢の世界へ引っ込んでいた。だからその間、私が何を見てきたのか、何を買ってきたのか、鶴は何も知らない。
レジ袋の中には生活用品が数品。それ以上に書店で購入した品物が多かった。刀剣乱舞関連のクリアファイルに、漫画、アクリルキーホルダー、エトセトラ。大勢の刀剣男士が描かれた中には必ず鶴丸国永のイラストが含まれている。さすがに全部は買えないから、せめて推しだけは欲しいと思った結果である。しばらく新刊も買えてなかったので、ついでに買っておいた。
「可愛くない? ほら見てよこれ……この鶴丸国永、めちゃくちゃ顔がいい」
「そうだなあ。きみの大好きな『俺』だからなあ」
「鶴も好きでしょ、鶴丸国永」
「ああ、うん、そうだなあ……好きではあるなあ……いやいや。それを俺が言うのはおかしくないか? 事実そうなんだが」
「ほらみた、事実そうじゃん」
「そう言われちゃうとなあ」
ただ、と鶴は続ける。
「きみ、先月も今月も金を使いすぎなんじゃないか? 一昨日もゲームに課金していただろう?」
「だって……鶴にお金を使いたい」
「ううん……気持ちは分かるんだが……」
「ていうか私のお金だし」
「そうだなあ、きみが頑張って稼いだんだもんなあ」
「うん千円で鶴丸国永の御尊顔が拝めるなら安いものでは? しかもゲームでは恒常、毎日がピックアップだよ?」
「大丈夫か? 気は確かか? とても好いてくれているのは嬉しいが、落ち着いてくれ、ひな」
毎日が鶴丸国永ピックアップガチャ。我ながら上手いことを言うものだ。推しのカードは何枚あってもいい。刀剣乱舞はカードじゃなくて一口で数えるけど。
ただし。
「……ひよ子」
やはり私の一番は彼なのだ。
「名前はずるい……『きみ』か『ひな』にして……心臓に良くない……」
「いつも下の名前を呼んでいるじゃないか。今更照れるのか、きみは。……可愛いなあ」
「むり……すき……」