偏食・孤独・穴埋め

 二人きりの世界。魅力的な言葉だ。愛する人間と二人で幸せに居られるのだから。それは俺にとってとても都合のいい夢物語だ。
 でも、そうではないのかもしれない。
 ひなが幸せそうにしている夢はいつも、隣に俺がいる。それ以上に沢山の人間が、敵味方問わず存在することに気付いてしまった。
 そうして、こうやって俺は自身とひなのことについて話をしたいのだと、気付いてしまった。
 物語や歌は、好きな奴だけが好いてくれればいい。誹謗中傷、批判や否定は要らない。必要がない。欲しくもない。だが、それというのは誰かの心に響かせてやりたいと、誰かの心に残してやりたいと呪いをかける行為と同等ではないのか。
 ただ聞いてくれるだけでいい。俺のこと、ひなのこと、二人のこと。聞いてくれたという証だけでいい。それが良い悪いなんて聞きたくはない。小説というものは、インターネットなんて便利な仕組みは、俺の願いを叶える願望器となり得るものだった。
 思う以上に俺は、外との繋がりが欲しいのかもしれない。ひなの内から見えている現との繋がりを求めている。牽制のためでもあるんだろうが、もっと他に理由がある。その理由が何なのかは分からないが。
 二人で一つ、というのはなんとももどかしい。

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