死んだ目をしている

 ひなが帰ってきた。帰ってくるなり、疲れ切った顔をしている。彼女は俺を見るなり、「しんどい」と言葉を漏らした。今日は金曜日だ。サービス業にとって客が多く忙しい曜日で、更に師走ときた。これからどんどん多忙になるだろう。ひなも客にもみくちゃにされたのだろうか。
 さて、くたびれたひなをどう癒やしてやろうか。

「……なあ、ひな。何だこの、ものろーぐというやつは」
「?」
「いや、首を傾げられてもだな……うん、まあ、そうだなあ、俺らしいと言えばそうなんだが」
「んー……?」
「おっ、そうか。なるほどなあ。甘えたいのか、きみは」
「……」
「何も考えていない顔だな。まあいいさ。さあ、おいで、ひな。たくさん甘やかしてやろうな」

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