09

やはりというか、緊張で眠れなくて、私は欠伸を噛み殺していた。そのうちに、女の子と目が合う。音楽プレーヤーを操作しているところを見ると、何か音楽でも聞いているのかもしれない。

「おはよう…ございま…す」

「おはよ。えっと、何、寝れなかったとか?」

「なんかこう緊張して…」

彼女は耳郎響香と名乗ってくれた。聞いているのはロックらしく、音楽が好きなんだとか。何聞いてるのと聞くと、ほい、とそのプレーヤーを貸してくれる。流れてくるお洒落な洋楽に感心してしまった。

「私、邦楽とかの方が聞くかな…。洋楽だとこう歌詞が聞き取れなくて」

「歌詞とかじゃなくて、インスピだよ。そのノリとかさ。ウチも完全に聞き取れるわけじゃないし。…良かったら、オススメ貸そうか?」

「わ、ありがとう!」

「あ、それと、アンタのオススメも貸してよ」

響香ちゃんの言葉に頷いて、朝からテンションが上がった。一気に目が覚めた気がする。よし、がんばろう!


__________


「早速だが、コレ!!戦闘訓練だ!!」

オールマイトの声が響いた。午前中の必修科目を終え、午後から始まるのはヒーロー基礎学だ。単位数も多いし、まさか本物のオールマイトが先生…。というか、緊張で心臓が痛い。それと同じくらいのどきどきも。

それと、私たちが雄英にはいる上で得られる被服控除から作られる提出した要望と個性届に合わせた戦闘服。自分の番号の書かれたバックを、そおっと開けてみて再度閉じた。そして2度見。そんな私を見て、肩を叩いたのは響香ちゃんだった。

「ナマエ、何、どうしたの」

「響香ちゃん…いや、予想以上に上がジャストサイズすぎて着るの恥ずかしい。下はいいんだけど、下は」

「あー。そういう」

「私もそんな感じだったけど、大体希望通りだったから。仕方ないわ。覚悟を決めましょ」

「梅雨ちゃん…」

梅雨ちゃんと響香ちゃんに慰められながらもう一度そっとバックを開けて、出してみる。下は裾が拡がっておりふんわりした感じになっているが、上が身体のラインを協調したような服になっていた。露出は少ない。いや、確かに大まかな希望だったかもしれないけど。いや、希望通りフードもついてるけど。

「ナマエちゃん、覚悟決めましょ」

「梅雨ちゃん、2回言ったね…」

「諦めよ、ナマエ」



覚悟、決めましょう。

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