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「名前ったら、さすがにずるいよ!」

「えっ、やっぱり私何かしちゃった....?」

「相手の6人のうち2人は名前狙いだったんだよ!それに気付きもせず宜野座さんにも迎えに来てもらって!」

「しかも宜野座さんが来た途端に、名前デレデレし出して!お陰で、相手の男と宜野座さんでちょっと摩擦があったのよ!」

「う、うそ....カクテルを頼んで、意外と美味しくて.....その後は帰ってからしか覚えてない....」

「止めても“まだ行ける”って飲み続けるし、結局宜野座さんが止めてくれたんだよ」

「まぁ止めたと言うより、迎えに来てくれたのがよっぽど嬉しかったのかな名前は」

「.....何があったか聞いていい?」

「顔見た瞬間に抱きついてたわよ。“いい匂いするー”とか言いながら」


自分で自分の行動が信じられない


「.....すごい変態みたいじゃん....」

「本当よ、宜野座さんも困ってたよ」




公共の場でそんな事しておいて、家でも服着たままシャワーとか意味分からない事したのか....
それで伸兄のスーツまで濡らして



「それと、名前一人5千円の食事代ね」

「は、はい....」

「そう言えばそれも宜野座さんが全員分払おうとしたんだよ!多分名前が迷惑掛けたからって事で。さすがに止めたけどさ」


払わせても良かったのにと思ってしまうのは、多分私だけだ


「ご、ごめん....5千円誰に渡せばいい?」

「私に頂戴」

































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「縢!なんだこの報告書は!」

「えー、またダメっすかー」

「むしろ進歩が見られない!何度言ったら分かるんだ!」

「俺ギノさんみたいにエリートじゃないですもん」

「狡噛!縢と一緒にやり直せ!」

「全く....俺を巻き込むなよ」

「コウちゃんよろしく!」



そんなデタラメにも程がある報告書を突き返すと同時に、一係オフィスの扉が開く



「ちょっと!大変よ!」

「どうした、唐之社」

「えぇっと、....宜野座監視官だけ来てくれる?」

「....何故だ、何があった」

「いいから、とにかく今は監視官だけ!皆はここで待ってて」




































「っ.....」

「....どうする?」


唐之社に連れられ来た分析室のスクリーンには、一面に広がる見慣れた人物と顔

あまりの事に声も出なかった

何故だ

いつ



「.....ごめん、あなたと名前ちゃんの....そのアレも見ちゃったわ....結構やるじゃない!普段真面目でしかないのに、やる時はすごい色気ね!それに意外と筋肉あるし、いつ鍛え

「少し黙れ」

「.....わ、分かったわ....」





カメラのアングルからして、名前の部屋のパソコンの近くだ

猫の置物など全く気付かなかったが....


それにしても何故名前なんだ
犯人は誰だ

そもそも名前は一人暮らしじゃ


「.....っ、そうか....」




あの時のメッセージカード

“一人じゃないの?”

はまさか


今になって廃棄してしまった事を後悔する



「全ての映像及び画像データを絶対に流出させるな。既にインターネットに何かしら上がっていないかも確認しろ。見つけ次第徹底的に削除しろ。如何なるデバイスにも保存するな。それはお前も同様だ」

「了解....執行官達はどうする?」

「.....何を見せるかはお前に任せる」

「.....“自分で考えろ”って事ね。じゃあ4人ここに呼ぶわよ」




















「こ、これは....」

「こりゃ参ったなぁ....」

「え、名前ちゃん!?っていうか部屋結構シンプル!」


結局唐之社は、俺が写っている場面を全てカットしたものを執行官に見せた

それに各々が驚きの反応を見せる中、やはりこの男は違った



「おいギノ!お前が一緒に居ておきながら何故こうなった!」

「離せ!俺も全く心当たりが無い!」

「監視官と一緒に住んでいて、どうしたら犯罪のターゲットになるんだ!」

「落ち着け!コウ!監視官だって相当焦ってるはずだ!ここで争っても解決しないだろう」

「.....」



掴まれた反動で崩れたネクタイを締め直す



「.....おそらく我々一係が沖縄へ出張していた間だ。ある程度の日数の間名前が一人であの家に居たのはその期間だけだ」

「....確かに、被害者は全員一人暮らしの女性です。監視官の言う通り、あの時期に一人暮らしであると勘違いをしたか。或いはそもそも名前さんには特別な感情があるのか」

「後者じゃない事を祈るしかないな」

「どうするんすかー、名前ちゃんに言うわけにいかないっしょ?今まであんな姿やこんな姿が全部盗撮されて、俺ら一係も全部見ちゃいましたーなんて、色相濁っちゃうかもしれないっすよ」


縢の言う事は正しい


「でも、ここで例の置物を取り除くわけにも行きません。現行犯で執行できなくなってしまいます」

「いや、俺が今すぐ帰ってカメラを

「ダメだ、犯人の逮捕が優先だろ」

「狡噛貴様正気か!お前は名前を囮に使うのか!万が一があってもいいと言うのか!そんな事監視官である俺が許可しない!」

「その監視官が側にいるんだ、それでも守れる自信が無いのか?」

「.....監視官、ここは狡噛の言う通り、犯人が名前さんを襲う所を攻めて執行するべきです。この機会を逃して新たに被害者を生むべきではありません」

「....ダメだ、そんな危険な事を名前にさせられない!他の策を

「ギノ!....他に策は無い」





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