番外編
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可愛いんだか可愛くないんだか。瀬津の目元に浮いた涙をぬぐい軽いキスをした。
首に回された瀬津の腕がきつくなったけど、ゆるりと抜け出す。瞬間怯えたように不安な顔で瀬津が俺を見上げた。こういうところは本当に可愛いと思う。頭を撫で柔らかい髪をくしゃりとかき混ぜた。
「ゴム」
そう言うと安心したように力を抜いたのが分かった。その後拗ねたように眉を寄せて小さく呟く。
「別にいいのに…」
予想もしなかった言葉に思わず動きが止まった。冷静に冷静にと自分に言い聞かせる。
「瀬津」
思ったよりも掠れて上ずった、余裕のなさそうな声が出たことが恥ずかしい。もう限界まで熱く固くなったものをあてがい息を吸う。瀬津がぴくりと動いた。ひくひくと動くのは誘っているのか無意識なのか。ただでさえ飲み込まれそうなところにゆっくりと沈めていくと、あまりの気持ちよさに意識が持っていかれそうになった。
口元を押さえた瀬津の手を取り、頬を撫でる。俺だけしか映っていないその瞳に吸い込まれそうになった。
「はるひさ…!」
背中に回された手に力をこもったのが分かる。入れただけなのに、中はうねるように俺を締め付けてくる。あまりの気持ちよさに思わずうめいた。
「…すごい…まさか瀬津のこんな姿見れる日が来るとは思ってなかった」
「はっ…お、俺だって…晴久に抱かれる日が来るなんて思ってなかった」
俺の頬を包んだ瀬津が汗に濡れた真っ赤な顔でゆるりと笑った。そうして本当に幸せそうな、とろけるような顔で言ったのだ。
「こんなの、夢みたいだ…んっ」
そんな顔でそんなこと言われたらもちそうにない。
恥ずかしさに顔を背けたが、抑えられないくらいの愛しさが胸に湧いた。
思わずでかくした自身をごまかすようにゆっくりと動き始めると、さっきまで吐息のように抑えた声を上げていた瀬津の口から高い声が漏れる。
「かわいい」
止まらないくらい好きに動きたくなる欲を抑え瀬津を見やると、自分の声に驚いたように目を見開いていた。
「声、おさえないで」
「い、やだ…!はっ…あっ…んん」
ゆっくりと奥まで抜き差しをすると、親友だった男が本能で喘ぐ。今となってはどんな瀬津も俺のもの。
「もっと見せて…?瀬津、好き」
「はっ…んぁ、あっ……俺も…」
「ん」
「……好きっ」
どちらからともなく唇が重なる。もうすっかり慣れた体温に繋がりを余計に感じた。先走りが垂れる瀬津のものを扱けば、切羽詰まったような喘ぎ声が大きくなっった。一段と中がきつく締め付けられ腰がびくびくと動いた後、力が抜けていく。
瀬津のものから飛んだ白濁が腹を汚す。うつろな目をして肩で息をする瀬津に気が急いた。
目に毒な瀬津を裏返し、無意識に背中に喰いついていた。赤い跡がついたのを見て安心する。そのまま打ち付けるように奥を突けば、一層高い声が瀬津から漏れ、中はうねるように吸いついた。瀬津のなかで果てた自身が熱を放つのが分かる。
「はっ…」
目の前がちかちかするようなこれまでに感じたことないくらいの快感の波が押し寄せる。
お互いの荒い息しか聞こえない。熱い体温が心地よかった。
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