番外編
← 125/127 →
汗の浮かぶ瀬津の白い首元にキスを落とす。小さく呻いた瀬津がじっとりとした目で俺を下から見上げた。頬は上気し、潤んだ瞳がいやらしかった。
瀬津の声は形容しづらい。強いて言うなら隙間風のよう。スーッと吹き抜ける、ありとあらゆるものを透過しそうな透き通った声だ。そんな質量を感じさせない声をかさつかせて言うんだ。
「………もっと」
「お、怒ってる…?俺やっぱり下手だったかな」
「……」
軽く睨まれて、やっぱり俺が下手だったんだろうかと思った。
ちょっとショック…いや、かなりへこむ。
なんて思っていたらバックの体勢からくるっと後ろに向き直った瀬津が俺の頬を白い手で包んだ。
いつも思うけどこの体格差は何だろう。2センチちょっとしか違わない身長差なのに、細身の瀬津は骨太体質の俺と並べばやけに細さが際立った。肌の色だって室内部活だったからか、もとから白い肌は今も日焼けを知らない。
「俺じゃ、たたない?」
顔を包み込むとコツンとおでこをぶつけた瀬津の息はまだ乱れている。そんな瀬津の熱を近くに感じ、もともと萎えてなどいなかった入れたままのそれが反応し始める。
「せ、瀬津体は大丈夫なの?」
「いいんだよそんなの…ねぇ、もっと」
俺の腰に腕を回しきゅっと締め付ける瀬津。…こいつこんなにエロイ奴だったっけ?
変なところで恥ずかしがったり、変なところで手慣れてたり、予想もできないところで積極的だったり。
思わず乗せられるところだったが、俺はまだ冷静さを保っていられるほどの理性が残っていたようだった。ゴムを変えようと一度抜こうと腰を動かすと、瀬津ががっちりと抱きついてきた。
「…え?」
そのうえ足を腰に回して身動きの取れないようにしてくる。耳元で瀬津がうっとりと笑った。耳にかかる吐息にぞわりと鳥肌が立つ。
「あ、あのせっちゃん?」
「なに?」
「その、一回離してくれませんかね?」
「…なんで?」
「や、なんでもなにも…」
「ハル、はやく」
小さな子供がわがままを言うように瀬津が急かす。ムッと拗ねた表情で見上げてくる瀬津はたぶんもうすでに少しとんでいたのかもしれない。
そんな瀬津を見て冷静ではいられない俺も、ほだされてしまうほどにはとんでいたはずだ。
もうそんな常識や建て前なんて考えるのが面倒で、欲のままに動けばさっき以上に瀬津が締め付けてくる。
「んっ…あぁっ…はぁ、あっ…」
中でゴム外れそう…なんて思いが一瞬浮かぶが、瀬津に頬を叩かれる。
「何考えてんの…ちゃんとこっち見て」
「み、見てます…」
見てられないくらいの色気を飛ばしてくるのはどこの誰だ。目が合えばもう何も考えられないくらい欲が膨らんだ。
「はぁっ…じゃあもっと…キス、して?」
ちょっとまじでコイツ誰だ。どこの世界線のせっちゃんだよ。最高かよ。
← 125/127 →