番外編
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ねだられるままにキスを落とす。そんな生易しいものじゃ満足できないらしい瀬津が珍しく自分から舌を入れてきた。そのまま舌を絡ませれば水音と吐息が聞こえる。
自ずから腰の揺れる瀬津に合わせるようにさっき知ったばかりの前立腺を突くと腕の中で瀬津が悶えた。それが可愛くって、もっととねだられるままにすると今度はさっきまでとは比べ物にならないほどぎゅっと締め付けられる。
「…もっと…もっと…」
「…いいの?」
「んっ…はぁ…」
答えはきゅっと回されたうでに入った力で肯定された。うわごとのようにもっとと言う瀬津に甘えて奥へ奥へと打ち付けるたびに腰が震える。搾り取るような収縮にこっちまでもっていかれそうになる。
「あぁ…んっ」
「…これ、イってる?」
でも精液は出ていない。聞いたことはあるし知識としてはあったわけだけど、本当に出さずにイけるのか…。
細い腰を大きく痙攣させ、中を激しく収縮させるが、勃ちあがったものは変わらず先走りに濡れていた。それを扱きながらまた打ち付ければ、甘い声に徐々に濁点が混ざり始めた。
そんな姿も俺だけが知っている瀬津の全て。優越感と独占欲に首筋に噛みつき赤い跡を作った。
「い、イく…!んぁ、またイく…っ」
「…!」
叩きつけるように欲をぶつける。同時に瀬津の腹に白濁が散り、中が痛いくらいにしまった。
「はっ…」
「………っ」
瀬津に覆いかぶさり快感の余韻に浸った。立ち昇る汗の匂いにまた反応しそうになるが、倦怠感で荒い呼吸をすることしかできなかった。
ちょっと動くたびに瀬津が呻く。その声すらも色香を含んでいた。背中に回された瀬津の腕がきつく俺を抱きしめている。背中が痛いのは爪を立てられているからだろう。ちょっと苦しくて、瀬津の顔が見たくて、腰を上げようとしてもその力は弱まらなかった。
「はぁっ…はるひさぁ〜…まだ…」
「…ん?」
「はっ…はぁ……まだ、まだ…全然、足りない」
余韻に腰をびくびく震わせておきながらまだ、もっと、とそう強いるのだ。
「もっかい」
掠れた声はカラカラに乾いていて、これ以上やったら本当にとんじゃうんじゃないかと心配な気持ちもあった。が、そんな狂気的な艶めかしさを前に年頃の俺も抑えられるわけがなかった。
〇
白い肌はピンク色に染まり、汗やいろいろで体はべとべと。もとよりかすれ気味だった瀬津の声はもうほとんど出ていない。なのに、もっと、もっとと強いられるままに何回やったのだろう。一体瀬津は何回イったのだろう。
「ハル…」
「え、えぇ…せっちゃん…俺、もう無理よ…もう出ないって…」
懲りずに焦点の合わない目で訴えてくる瀬津はもうすでに何度か返事が来なくなった。なのにうわごとのように求めてくる。
瀬津も俺も、もうほとんど透明になった精液で快楽を感じられる状態を超えているような気がする。さすがにこれ以上やって体を壊されても、というかもう遅い気がするが、とにかく今後に響くようなことがあっては…。という言い訳をしつつ、要するに文字通り精根吸いつくされたおかげでそろそろ勃つかどうかも怪しい。
「ハル……」
ぺたぺたと俺の体を触ってくる瀬津を抱きしめながら頭をポンポンと撫でる。
「はっ…はぁ…はいはい。ちゃんといますって。でも今日はもう勘弁な。一緒に寝るからそれで許して」
身動きも取れないくらいきつく抱きしめた。お互い肩で息をするほど気力も何も残っていない。落ちてくる瞼と格闘する瀬津の額にキスを落とした。
腕の中が温い。そのくせ汗臭い。なんて思っていたら重い瞼が下がってきて気づいたら眠りに落ちていた。
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