ブサイクな顔
「兄さん待ってよ!本当にあの人達放っておく気…」
「アル!このボタ山どれぐらいあると思う?」
アルがエドにこの街の事をどうするのか聞くがエドは黙って石炭以外の悪石が集めたれた場所まで来た、その目的は
「?1トンか…2トンくらいあるんじゃない?」
「よーし、今からちょっと法に触れる事すっけどおまえ、見てみぬふりしろよ…」
ボタ山の上に乗り上げボタ山を何かに錬成しようとするエド
「へ⁉︎…それって共犯者になれってこと?」
「ダメか?」
エドの考えが分かったアルは呆れていた…でも止めない
「…ダメって言ったってやるんでしょ」
「なぁに…バレなきゃいいんだよ…バレなきゃ」
「…やれやれ悪い兄を持つと苦労するよ…」
錬成の光が暗闇の中輝く、それはエドが石ころを金に変えるためだ、規則だからダメだと言っていたのにアルも今は見逃してる…
「なんでそんな回りくどい事やってんの?」
出来上がった金をアルと一緒にヨキの所に持っていくエドの前に立ったのは令美だった
「あんな奴、金でどうこうするよりやっつけた方が早いじゃない、どうしてこんな事してんのよ」
「…言ったろ、オレ達は誰かをやっつけるつもりはねーよ」
「じゃあ私が代わりにしようか?借りは返すつもりだし」
令美には凄くイイ提案だと思った…エドが出来ないなら令美がする、令美は借りが返せる…だがエドは違った
「オレの話聞いてたか⁉︎そんなんで借りが返せると思ってんのか⁉︎」
何故か急に怒り出すエドに令美は内心驚いた、令美が出来ないと思ってるのか?…それとも
「…いいからオメーは大人しくしてろ…」
エドは令美の提案を断固拒絶して、令美を横切りヨキの元へ向かう
「…簡単に自分の手を汚すな…
自分をもっと大切にしろ…」
一言、令美に残して…
「…もう、とっくに汚れてる…こんな手…」
令美の言葉を聞かぬまま…
◇◆◇◆◇◆
エドは山のようにある金塊をヨキに売りつけ、炭鉱の経営権を手に入れた…抜かりなく念書に違法な金がバレぬよう“無償で穏便に譲渡した”と書かせて
そしてエドはボーリングの所へ行き、“等価交換”として1泊2食付き3人分の料金で炭鉱の権利を彼に売りつけた
「よっしゃ買った‼︎」
「売った‼︎」
「…終わった?」
「あ、令美さん…」
令美は静かにアルの隣にきて、街の人に嫌われてたエドが今は笑顔で囲まれてる
「…」
焼け焦げた店はエドが錬成して、前より綺麗になった、この店で祝杯だ!…って時に慌てて店に入ってきたのは石ころを持ったヨキ達だった
「錬金術師殿これはいったいどうゆうことか‼︎」
「これはこれは中尉殿、ちょうど今権利書をここの親父に売ったところで」
ヨキは顔を青ざめ絶句する、権利書も無く金も無くなり、焦ってエドに説明を求める
「…いつ元に戻したの?」
「さっき出かけにちょろっと」
金塊など知らないとエドは大嘘にヨキは詐欺だとエドを攻めるも念書に無償で譲ったとサインをした時点で金塊は無かったことに
「…いい気味」
「だろ‼︎物騒なモンよりこっちの方が倍楽しい…」
令美のぽつりともらした言葉にエドの悪人顔がより増した
「…ぐぬぬ…この取引は無効だ!お前達!権利書を取り返…せ⁉︎」
お馬鹿なヨキは武力で権利書を奪おうとするが、街の人達が立ちはだかる
「…炭鉱マンの体力なめてもらっちゃ困るよ…中尉殿」
あっという間にヨキの部下二人は倒され、ヨキはもう手も足もでず…
「あ、そうだ中尉」
最後の最後に戦意喪失したヨキにエドが追い討ち
「中尉の無能っぷりは上の法にきちんと話を通しておきますんで、そこんとこよろしく」
ヨキは力を無くし座り込んで…全てが終わった
「よっしゃーー‼︎酒持って来い‼︎酒っーーー‼︎‼︎」
その日の夜はエドを含め男達は祝杯に騒いだ…騒いで騒ぎすぎて…
「…もう食べられない…」
酔い潰れた男達、エドも店の床で寝ている…
「またおなか出して寝て!だらしないなぁ、もう!」
「…ブサイクな顔」
やっぱり…優しすぎ
エドワード…アルフォンス…貴方達、兄弟
「令美さん?」
「…仕方ないから、このお馬鹿さんの借りは別の方法で返すとするわ…納得する方法で…」
「…はいっ‼︎」
鎧で顔の表情など分からないのにアルは令美の言葉に喜んでいた…たったそれだけで喜ぶアルに令美は気まずくなり
「フガッ…!」
のんきに寝ているエドの鼻をつまんでやった