やっぱバカ









「…この状況でよく寝てられんな、ガキ」

「…バカ」
炭鉱での事があり、エドは東の中央に行くことになり、令美達は上客の多い汽車に揺られている中、事件は起きた
「起きろコラ‼︎」
爆睡してるエドに怒鳴るのは、先程この汽車を乗っ取ったと宣言した者達、だがどんなに怒鳴ろうが持っている銃で突かれようがエドが起きる気配なし、周りの上客はドン引きだ

「…この…ちっとは人質らしくしねぇのか、この

チビ‼︎」

(ドン‼︎)
禁句を言ってしまったがゆえ、禁句に反応し即座に起きて立ち上がったエドの顔は怒りに満ちていた
「お?…なんだ文句あんのか、おう‼︎」
エドに銃を向け調子にのる男、だがエドは銃では怯えることなく

(パン‼︎)
「うお⁉︎」
エドが銃を錬成して、男の銃はラッパにかわる
「⁉︎…なんじゃこりゃあ‼︎」
銃を変えられ驚き慌て出す男にエドは容赦なく蹴りを一発決めた
「あちゃ…」
「…短期」
エドの行動の速さにアルと令美は呆れた

「やりやがったな小僧」
倒れた男の仲間である別の男がエドに銃を向ける
「逆らう者がいれば容赦するなと言われている、こんなおチビを撃つのは気がひけるが…」

「まぁまぁ2人とも落ち着いて」
アルがこれ以上騒ぎを大きくしないため男を止めるが…
「なんだ!貴様も抵抗する気…か」
  (めしょっ…)
「だあれがぁミジンコどチビかぁーーッ‼︎‼︎」
アルが止めたのだがエドはもう1人の男もボコボコにした、おチビと言っただけでの仕打ちとしては過剰すぎる


「兄さん兄さん、それ以上やったら死んじゃうって」
「………て言うかこいつら誰?」
ただ禁句に反応して暴れたエドはやっと目を覚ましアルに自分がボコボコにした相手の事をきいてた

「…やっぱバカ」



「…俺達の他に機関室に2人、1等車には将軍を人質に4人、一般車の人質は数カ所に集めて4人で見張ってる」

取りあえずエドがやっつけた2人は縄で縛り、この汽車の中にいる仲間の情報をはかせる
「あとは?」
「本当にこれだけだ‼︎本当だって‼︎」
敵は10人…男から聞き出した情報に一般客が不安の声をもらす…

「誰かさんが大人しくしてくれてれば穏便にすんだかもしてないのにねぇ…」
「私だって我慢してたってのに…」
原因である兄に向かって呆れ攻めるた言葉をかければ
「過去を悔やんでばかりでは前に進めないぞ弟よ!後レイミはよく我慢した‼︎」
エドの必死の言い訳にもっと呆れたアル…令美に至ってはウザイしかない

「…しょうがない、オレは上からアルは下からでどうだ?」
「はいはい」
窓を開けてエドが汽車の上へ登ろうとすると一般客が…
「…きっ…君達はいったい何者なんだ?」

「…錬金術師だ‼︎」

エドがなんとも安心させるために言った言葉は、窓から出て風に飛ばされそうになるエドを見て一般客は不安になっていた



エドが汽車の上から行き、アルが中から行く作戦、だがアルはまだ先に進めなかった…アルは困っていた
「私も行くから」
「あっ…危ないですよ、レイミさん」
危ないので令美を行かせる気なんて無かったアルだったが、令美が行きたいの一点張り
「アルの後ろにいるから大丈夫、こんなとこで待たされるなんて絶対イヤ」
先程我慢してたのに、エドのせいで結局事件に巻き込まれて納得がいかないのだろう令美の少し幼い部分が見えてアルはなんだかホッとした…

「分かりました…危ないので気をつけて下さいね」
「……、暇つぶしにはなりそうね」


◇◆◇◆


「…たくよー定時連絡はちゃんとしろって…」

汽車の繋ぎ部分を越え次の車両に行くとき、丁度銃を持った男が出てきた…しかもこちらに気づいてない
「うっ…わぁぁぁぁっっ‼︎‼︎」
やっと気づいたと思ったらアルの姿を見て驚き慌て出し銃を乱発しまくる
「ちょっと待って…」
アルが止めても、もう遅く乱発した銃の弾はアルの鎧に当たり
「跳弾してあぶないよ…って遅いか…」
「いいいでェェェ〜っっ‼︎」
跳弾した弾が男の足に当たり男は情けなく倒れた


「マヌケな奴しかいない集まりね…」
最初の男と同じで他の奴らもアルに驚き乱発して自滅していった、ここまで令美は手を出すことはなく、ただアルの後ろにいるだけのヒマ人

「でもレイミさんが無事でよかったです」
「…」
エドにはない、アルのストレートな言葉には令美はなんと返事したらいいのか分からない

『あーあーあー犯行グループのみなさん…』
1号車に入る前、エドの声が放送で聞こえ止まる、内容は人質解放と投降することだった…なんともエドがしそうな事である

もちろん敵は反抗したが…エドはそんな事分かりきっていた、炭水車に水道管を錬成して先頭に残っていた敵を1号車に流し込んだ
「やだ、水?」

勢いよく流れる水に逆らえず、一緒に流れてきた敵はアルのいる扉の前まで流され
「いらっしゃい」
敵は全部アルによってやられるのだった

「水に濡れるの、イヤ」
何もする事が無かった令美は不満が残ったが、水に濡れるのがイヤで2号車に自主避難

濡れた敵を相手にするもの令美はイヤなので最後に残った敵のボスはエドとアルに任せて

事件は無事解決した



駅につき、汽車を降りれば青い制服(ヨキと同じ服)の男と女が居た、エドに気づくと此方へやって来た
「や、鋼の」
「あれ、大佐こんにちは」
にこやかに笑いエドに話掛けてきた男に返事したのはアルで、どうやら彼らはエド達の知り合いらしい

その者は焔を武器とする者…ロイ・マスタング…“焔の錬金術師”

「…炎…」


令美にとって“嫌なこと”を思い出させる力を持った相手

あまり良い印象は嫌でも持てない








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